予想外
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撃をすることができなくなっているシリル。彼は急所への攻撃を避けるため、元々の小さな体をさらに小さく屈め、防御に徹することしかできなくなっていた。
「そんなことしても、無駄だよ」
しかし、目が見えない彼では当然攻撃を防ぐことなどできない。ティオスはシリルの防御を掻い潜り、次々に攻撃をヒットさせていく。
「さて、これでおしまいと行こうか」
あとは気絶させて彼を体内に取り込めばそれで終わり。ティオスは完全体になり、この世の全てを破壊することができる。そんな全てを決める決定打を放とうとしたティオスだったが・・・
「波動波!!」
射程範囲内にやってきたカミューニが、それを阻止する。
「チッ」
ジェラールの流星でも射程圏内には間に合わないとティオスは読んでいたためにこの攻撃をギリギリで回避するのがやっと。おかげでシリルとの距離が離れたタイミングで、カミューニは彼を抱えてさらに距離を取る。
「やれやれ・・・本当にシリルが好きだね、あなたは」
「あぁ。俺のやれなかったことをやってくれた奴だからな」
かつてハデスを殺すことに全ての労力を注ぎ込んだカミューニ。そんな彼が最後に託したのは、紛れもない彼なのだ。
「あなたのいう通りシリルは何度も不可能を可能にしてきた。それは俺も認める。だが・・・」
ニヤリと笑うティオス。彼の瞳に映る少年は、ひどく怯えていた。それにカミューニは、いまだに気付けていない。
「そんな状態じゃあ、とても相手にならないな」
「何?」
シリルの異変にまだ気付けないカミューニ。その理由は明白だった。彼はティオスという絶対的な力を持った悪を前に、集中力を途切れさせることができず、少年の様子を見れていないのだ。
「カ・・・カミューニさん・・・」
「シリ・・・!?」
名前を呼ばれようやく少年に視線を向けたカミューニ。彼は自身の抱える少年の現状を見て、目を見開いた。
「目が・・・何も・・・見え・・・」
先ほどまでの悪魔のような形相から普段通りの少年の表情へと戻っているシリル。翼こそまだ出ている状態だが、魔力が明らかに下がり始めているのを、青年はすぐに感じ取った。
(バカな・・・妖精の心臓とかいうのは永遠の魔力なんじゃないのかぁ!?)
ジェラールを伝いこの戦争の主なことを早い段階で聞かされていたカミューニ。彼はシリルが手にいれたであろう力のこともわかっていた。だが、現実で起きているのは、聞いていたこととは全く違う状況。
「どうしよう・・・どうすれば・・・」
ここまで来てようやく青年は気付いた。少年が弱気になればなるほどどんどんが弱くなっているということに。それはつまり・・・
(永遠の魔力といえ
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