予想外
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なことに?」
「あの子はヨザイネの子供といえど、ほとんどの成分は人間だからね。14歳くらいだっけ?人間だとそれくらいじゃあまだ体は完全に出来上がっていないからね」
まだ成長途中であるシリルは当然肉体的にも魔力的にも伸び代が大きくある。しかし、今回はそれが裏目に出てしまった。
まだ伸び代があるということは未完成であり、肉体は破壊と再生を繰り返し成長していく。つまり壊れやすいとも言えるのだ。
そんな未成熟な体で通常の魔導士ではあらえない2つの滅系魔法を持っている上に、ティオスと同等の魔力を持つために妖精の心臓を体内へと宿したシリル。そのあまりにも大きな負担をかけられ続けた肉体は限界に達し、彼のもっとも戦う上で使用していた部位・・・目が最初に悲鳴をあげてしまったのだ。
「そんな・・・どうすればいいんですか!?」
ヨザイネは自身を抱えている女性に問いかける。それに対し女性は何も答えない。
「カミューニが救出に向かってはいるが、奴ではほんの一瞬隙を作るので精一杯だろう」
「シリルを回復魔法の使えるウェンディの元まで運ぶのは、少々無理がある」
オーガスト、ヴァッサボーネがそれぞれの見解を述べる。ティオスの圧倒的力の前では、ほとんどの魔導士たちの力など無力。とてもじゃないが、勝負にならない。
「そうだ!!いい方法がある!!」
すると、女性に抱えられていたヨザイネが急に立ち上がり、彼女の前で膝をつき、頭を下げる。
「お願いします!!オーガストを蘇られてもらえないでしょうか!?」
突然の発言に目を見開き硬直するオーガストたち。それを言われた女性は、深いタメ息をついた。
「残念だけど、それはできないわ」
「そんな!?なんでですか!?」
彼女がなぜそんなことを言えるのか、そもそもいまだにこの女性の正体すら知らない彼らからすれば、一体何が行われているのかも全く理解ができない。
「私はこの世界で何かを為すことはできないわ。前に色々やりすぎちゃったからね」
「そこを・・・そこをなんとかお願いします!!」
彼女の無慈悲な言葉を聞いてもなおも食い下がるヨザイネ。その姿に同調すればいいのか迷っていたオーガストたちだったが、彼女から発せられた名前に驚愕した。
「アンクセラム様!!」
「「「「「!?」」」」」
突然発せられた聞き覚えのある名前に、ヨザイネを除く全てのものが目を丸くしていた。
地上でも天界でもシリルの身に起きた異常事態に慌てている頃、肝心の少年は劣勢に追い込まれていた。
「これでわかっただろ?お前がどれだけ弱いかが」
視力を失ったことにより攻
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ