予想外
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シリルとティオスの戦い。それを最も近くで見ていたウェンディたちは、突然の戦況の変化に戸惑っていた。
「シリル!?どうしたの!?」
お互いに攻めていたはずなのに、味方である少年は動きが止まったかと思うと、頭の前で腕をクロスさせてただ防御の体勢に入っている。対するティオスは、敵の攻撃が止まったタイミングを見計らい、一方的な攻撃に出ていた。
「なんだ!?どうしたんだね!?」
「わからん!!何が起きているというんだ!?」
一夜とジェラールも何がどうなってこのような状況になっているのか理解できずにいる。距離を大きく取っていることもあり、シリルの目から涙のように流れている血液に彼らは気が付いていないのだ。
ダッ
なす統べなくやられていく少年。ここはどうするべきなのか3人はわからずにいると、その脇を1つの影がすり抜けていく。
「カミューニ!!」
先ほどまでの準備運動を徹底していたカミューニがトップスピードで2人の元へと駆けてゆく。その反応のよさ、スピードから、彼らはどういうことなのか察した。
「これがお前が想定していた事態が、カミューニ」
カミューニside
2人との距離は結構ある。あいつらのパワーは普通の魔導士のそれとは格が違うからな。それに巻き込まれないようにするには、あれくらい離れてないと意味がない。
目から大量に出血し、恐らく視覚を完全に奪われているであろうシリルの救助に向かいながら、そんな言い訳を頭の中でする。本当だったらもっと近くで最悪の事態に対応できるようにしておかなければならなかったのに、それを怠ってしまった自分の行動を正当化するように。
「シリル・・・俺が行くまで持たせろよ」
さらに魔力を解放し速度を上げる。俺が着くよりも前にあいつがやられたら、それこそ積みゲーだ。しかし・・・
「こんな事態・・・全く予想できなかったよ」
もっと別の事態を想定していた俺からすると、シリルの目が見えなくなってピンチに陥るとは思っていなかった。もし今の状態で俺が想定することになれば・・・
「死ぬしかないんだろうな、俺たちは」
第三者side
「何!?何が起こったの!?」
一方、天界でこの戦いを見ていたヨザイネも、シリルの突然の出血、防御に徹する姿勢に何が起きたのかわからずにいた。
「目が・・・割れた?」
「いいえ。恐らくは目の血管が切れたんでしょう」
シリルの目玉が破裂してしまったのではないかと思わせるほどの状況だったが、ヨザイネを抱える美女は冷静な口調でそう告げる。
「な・・・なんでそん
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