第五十六話 “あの男”の正体
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ットとバスターショットを構えてレーザーサイトを出すとアルバートをロックし、ホーミングショットを放つものの、アルバートを囲むモデルVが全て防いでしまう。
余波によってアルバートの背後のガラスが砕け、アルバートの体が浮かぶとそのまま建物の外に出た。
「「っ!」」
「また会えるさ、君は私の影であり…君は私の…」
グレイに意味深な言葉を言うと、アッシュに向けて放たれた言葉は本部の外の爆音によって掻き消されてしまう。
そして、アルバートはそのまま降下していった。
「っ…待ちなさいよ!今なんて言ったのよ!?アタシは一体何なのよーっ!?」
レギオンズ本部にアッシュの叫びが響き渡った。
しばらくしてアッシュとグレイが落ち着いたのを見計らってトーマスが二人から話を聞く。
「…なるほど、君達の話は分かった。我らは機械の体を持ち、数百年の時を生きる事を許されている。アルバートは三賢人となる数百年前に、既にモデルVを作りあげていたのだな。それから…アッシュ君、グレイ君、データベースで君達の事を調べさせてもらったよ」
「それじゃあ…僕の事が分かったの!?」
「アタシの事…?アタシのデータもここに残ってるの!?」
二人の問いにトーマスから返ってきたのは精神的に弱っていた二人にとって残酷な答えであった。
「君達のデータはなかった…君達はこの世界には存在しない者という事になる」
「そ…そんな馬鹿な!嘘だっ!」
「な…何よそれ…だって…だってアタシ達はここに…!」
「落ち着きたまえ、そうだ、君達はここに確かに存在する。となれば、レプリロイドのグレイ君はともかく、ヒューマノイドであるアッシュ君のデータが無いと言うことはアルバートがデータベースからデータを消したと考えるべきだろうな。その理由は分からんが…奴にとって、君が特別な存在である事は確かだ。そしてアルバートはグレイ君を自分の影と言った。君が何者なのかは分からないが、恐らく、君が現れたために計画を早めなければならなかったのだろう。その理由も分からんがね…」
「そんな…ここまで来たのに…あんなに苦労したのに…何も分からないなんて…」
レギオンズ本部に行けば自分のことが分かるかもしれないと思ってここまで来たと言うのに何も得るものがなかったことにグレイは落胆する。
「…アタシが…アルバートにとって特別…?」
アッシュは別に自分のことを知りたくて来たわけではないが、全ての元凶と自分に何らかの関わりがあることに動揺する。
「…………」
そんな二人にモデルAは何も言えずに黙ってしまうが、世界各地の状況を調べていたミハイルが最悪の報せを持ってきた。
「諸君、悪い報せだ。世界の各地にイレギュラーが現れている。アルバートめ
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