始まりから夏休みまで
彼女の本性が垣間見れた話
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きっとセックス以外にも仲良くなれる方法があるんだよって。
だからまずはそれをやめさせようとした。
でも、僕の圧倒的な人とのコミュニケーション不足がここで災いした。
僕は人のことを一切考えず、ただ"嫌い"と言ってしまったのだ。
もっと他にも、言い方はあっただろうに。
「ナァ…今…"嫌い"って言ったのかい?」
「それはあくまで例えであって…もしかしたらのはな…っ!?」
言い切る前に押し倒される。
すごい力だ。一切の抵抗も許されないまま、僕は床に寝転がされた。
「嫌いってなんだ?ますたあ殿はおれが嫌いなのか?ナァ、どうなんだ?」
光のない目で僕の瞳を覗き込む。
押し倒され、手首をがっちりと捕まれた僕は動くことが出来ない。
「き、きらいなんかじゃない…むしろだいすきで」
「じゃあなんで嫌いなんて言ったんだ!!」
「…っ!」
今度は僕が怒鳴られ、肩をすくませる。
「おれはただ…ますたあ殿に今までもらった恩を返したくて…!」
「お、恩って…。」
「必死で調べたんだ。どういうのが好きか、どういったのが良いか、ずっとずっとますたあ殿の事だけ考えてきたんだ。なのに…それなのに…!」
掴む手に力がこもり、痛みが走る。
「北斎ちゃん…い、いたいよ…!」
「痛い?そりゃ痛いだろうナ。でもますたあ殿に嫌いって言われた時、おれもそんくらい心が痛かった。それに…。」
腕を掴んでいた手がゆっくりと離れる。
やっと自由になれた、と思ったのも束の間
「あ…かは…っ!」
「こんくらい…息が詰まるほど苦しかったサ。」
その両手は今度、僕の首を掴んだ。
「ほ…ほぐさい…ちゃ」
「さっきから北斎北斎ってなんだい?昨日の夜みたいに"お栄ちゃん"って呼んどくれ?それとも嫌いだから呼べねぇってのかい?」
「ち…ちが…っ!」
言葉を発しようにも、絞められた首からは掠れたような声しか出ない。
苦しい。頭に酸素が送られてこなくなって、すごくぼーっとする。
「おねがい…やめ…て…っ。」
「嫌いなら好きにさせればいい。おれがますたあ殿のことだけ考えてたように、ますたあ殿もおれのことだけしか考えられないようにすりゃいい。なんだ、簡単なことじゃないか。」
こっちの話など一切聞いていない。
薄れ行く意識の中、ただ北斎ちゃんの顔だけがハッキリと映る。
目を細め、にんまりと笑っている。
「ああ…やっぱその表情が最高サ…?絵に描いて額縁に飾りてぇくらいに。」
僕の苦しい顔を見て、笑っている。
「ナァ、もっと見せとくれ?ますたあ殿の苦しい顔、見れば見るほどおれのまたぐらがアツくなって濡れてくるんだ。」
「や…め……。」
腕を掴み、首から離そうとするもとんでもない力
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