始まりから夏休みまで
彼女の本性が垣間見れた話
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だが大事なのはそこじゃない。問題は"何故召喚されたか"だ。」
「何故って、おれはますたあ殿に会いてぇから来たのサ。それ以外の理由もねぇヨ?」
「それは分かってます。あなたは自分から"来た"のではなく、誰かに"連れてこさせられた"可能性も否定出来ないんです。」
確かに、北斎ちゃんは会いたいと思ったら来れたと言っていた。
自分の力で来たわけではなさそうだ。
でも、
「連れてこさせられたって…誰に?」
問題は北斎ちゃんをこちら側に呼んだ者が何なのかだ。
「漫画や小説じゃないが、魔術師…とか?」
それはいくらなんでも現実から離れすぎてはいないだろうか?
とはいっても、今目の前で北斎ちゃんがいること自体が現実離れしているのだけれど。
「もしくは…聖杯?」
魔術師が呼んだ。もしくは聖杯があって、それが彼女を呼び出した?
現実は既に侵食されている。
もう何があったとしてもおかしくはないのかもしれない。
けど、
「ところでますたあ殿。腹も膨れた事だし、ご友人が帰ったら早速シようじゃないか?」
真剣な話をしているのに僕にすりより腕を絡ませてくる北斎ちゃん。
Tシャツが大きいせいか片方の肩が見えていて非常に妖艶である。
「シ、シようって何を?」
「なーにとぼけてんだい?んじゃあそんな忘れっぽいますたあ殿に教えてやるヨ。」
僕のすぐ横まで顔を近付け、吐息まじりにそっと囁く。
「せ っ く す だ ヨ ?」
「っーーーー!!!!」
耳元で囁かれる甘い言葉。
声が鼓膜を震わせ、脳を痺れさせ、僕は思わず声にならない声を上げる。
「お?ますたあ殿。まだ何もしてねぇってのにこっちは随分と元気じゃないか?」
「ち、ちがっ…!」
「…大変…仲がよろしいんですのね…。」
目の前で繰り広げられる僕へのセクハラに、友作くんは混乱しすぎて思わずお嬢様言葉になりかけている。
「じゃ、じゃあ俺邪魔そうだし帰るわ。」
雰囲気を察したのだろう。
友作くんは椅子から立ち上がると荷物を持ち、早歩きで玄関へと向かっていく。
「お願い待って!!!」
「なんだよ!?」
北斎ちゃんから抜け出し、帰ろうとする友作くんの足にしがみつく。
帰すわけにはいかないからだ。
「お願い!!人助けだと思って帰らないで!!なんならここに泊まってもいいからぁ!!」
「お、お前アレだろ!?北斎さんとこれから魔力供給すんだろ!?幸せじゃん!!」
「あれは幸せなんかじゃない!!地獄だよ!!体験したことないからそう言えるんだ!!」
好きな人で脱童貞できた?なら幸せじゃん。
そう思う人もたくさんいるだろう。
でもあれは違う。
「はは、なんたっておれとますたあ殿は昨晩からブッ続けで
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