始まりから夏休みまで
彼女の本性が垣間見れた話
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とりあえず昨日の晩からそのままのワイシャツと下着を手繰り寄せ急いで着る。
「葛城ー!!」
「はーい!今出るよー!!」
玄関まで駆け、ドアのチェーンを外して扉をあける。
そこには僕のFGOが出来なくなった際、治せないかとあれこれしてくれた友人の姿があった。
「おはよ…友作くん…。」
「なんてかっこしてんだ葛城…。」
よく見ればボタンをかけ間違えてるワイシャツ。
下はズボンをはいておらず、さらには急いでいたせいで若干息切れている僕。
うん。完全に『ついさっきまでヤッてました』って人のそれだ。隠しきれてないね。
「てか今日どうしたんだよ。何の連絡もなく休むからさ。」
「あ、あーちょっと熱っぽくてさ…。」
少し演技っぽく頭をおさえ、ふらつく。
「大丈夫かよ?飯は?」
「うん…食べる気しなくって…。」
「それはダメだろ。なんでもいいからとりあえず食わねぇと…。」
そういい、彼は玄関に上がろうとするが止める。
今部屋に上がられたら確実にマズい。
「なんだよ?」
「いやほら、うつしちゃうかもしれないし。」
「平気だって。飯作ったらすぐ帰るから。」
「だ、大丈夫だって!自分で作れるから…!」
「って言っといていつもコンビニのサラダで済ましてんだろ?友達なんだからたまには作らせろ。」
なんとかして食い止める。
そしてそんな必死な僕を見て友作くんは
「葛城。」
「な、なに…?」
「お前隠し事してるな?」
「…!!」
明らかに図星なリアクションをとってしまい、友作くんは確信したように笑みをうかべた。
「べ、別に隠し事なんて…」
「さっきから挙動不審なんだよ。熱だから家に入れたくない?だったらもうちょい普通にしてんじゃないの?なぁ葛城。」
「あ、あの…それは…。」
「ともかく入れろ。大丈夫だって!変なものあっても俺はそれくらいじゃ驚かねぇから!」
「でもダメだよ!!ダメなものはダメなんだって!!」
無理矢理入ろうとする友作くんをなんとかして止めようとするが、あっちは部活は入ってはいないものの力仕事のバイトをしているせいか体育会系のがっしりした身体付きをしている。
痩せっぽちの僕がどう頑張っても止められる相手ではない。
押さえ続けてはいるも、彼は確実に一歩一歩部屋に侵入している。
「入れろよ葛城…!そこまでされたら俺もムキになって入りたくなっちゃうだろ…!!」
「ぜ…ぜったいだめぇ…っ!!」
僕の努力もむなしく、友作くんは靴を脱ぎ始め、部屋への第一歩を踏み出した。
だめだ。それはだめだ
「うるさいねぇ。そんなら上がらせりゃいいだろ?」
「……。」
「……。」
僕の努力は水泡に帰した。
そこにはTシャツを着たお栄ちゃんが
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