第50話 第四四九〇編成部隊
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程度の部隊を用意できる、とのことです」
ファイフェルがそこまで言い切ると、爺様がその後を引き継ぐ。
「そういうわけでジュニアには部隊編制をやってもらう。儂とモンシャルマンは独立部隊の指揮官達との顔合わせと戦力把握、それと宇宙艦隊司令部作戦課と統合作戦本部査閲部へ挨拶に行ってくる。五日で編成を終わらせること。戦闘序列は編成表を見て儂が決定する。ジュニアには判断資料としてモンシャルマンと同じ閲覧権限を与える。オフィスは隣の部屋じゃ。席はファイフェルが用意しておる」
「承知しました。では二八日午後に提出でよろしいでしょうか?」
「今日も入れるんじゃから、二七日の午後三時じゃ」
「……了解しました」
「一週間ズル休みしたんじゃから、それなりに働くんじゃぞ。わかったな?」
ドンと机を右拳で叩く爺様の、マーロヴィアから変わらぬブラックぶりに、心の中で苦笑せざるを得なかった。
◆
司令官公室のすぐ横にある司令部幕僚オフィスの広さは約八〇平米。そこにモンシャルマン准将と俺、それに未赴任の情報・後方参謀、ほかに四つの空席と副官のファイフェルの席がある。他に三次元投影機と小さな応接セットがあるので、前世中企業の総務オフィス(投影機があって書庫がない)を少し大きくしたような造りだ。
もっともモンシャルマン大佐は結構忙しく各所を回っているので、実際ここを使っているのは俺一人だけなのだが、広くなったとはいえ個別のオフィスを持っていたマーロヴィアの頃に比べると若干居心地が悪い。
そして俺にとっても最も居心地を悪くする要因は従卒の存在だ。仮にも二〇万将兵の司令部であるのだから、場末の不動産屋みたいに成績を上げられない若手の営業マンが、机に菓子をこぼして留守番しているような状態では流石にまずいのはわかる。宇宙艦隊司令部のタワーの中にあるオフィスとはいえ、機密と高官(笑)の巣窟である幕僚オフィスに外注のビル管理業者を易々と入れるわけにはいかない。故に各艦隊司令部には直属の従卒がいて、それら維持業務を担ってくれている。その為に幕僚オフィス内に狭いながらも従卒専用のスペースもある。必要な存在だとは分かっているが。
「コーヒーをお入れいたしましょうか、少佐殿」
なんでこの子がここにいるんだよと、出会ってから俺は何度自分に問いかけただろうか。彼女は従卒ではあるが、正式な軍人ではなく兵長待遇の軍属である。故に人事権は統合作戦本部人事部の管掌するところではあるが、この人事の意味が分からない。
「いや、紅茶にしてくれるかな。ミス・r……ブライトウェル」
「かしこまりました」
デザインは一緒だが、正式な軍人と色違いのジャケットをピシッと伸ばし、文句のつけようのない敬礼をして、踵を鳴らして回れ右で給湯室へと向かう赤毛の彼女、ジェ
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