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レーヴァティン
第百五十八話 西国の政その十一
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「そういうことだな」
「そうだ、だが外道はな」
「それ以前の問題か」
「外道は何処に行っても使えない」
「何処でも害を為すな」
「害毒はだ」 
 まさにというのだ。
「さっさと消し去るに限る」
「ならだな」
「銀山にも送らない」
 無論開墾の地にも、英雄は幸正に話した。
「一切な」
「即刻だな」
「嬲り殺しにしてだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「魂もだな」
「消してだ」
「何もさせないな」
「極悪人より下の連中がいる」 
 英雄は言い切った。
「それがだ」
「屑だな」
「極悪人はまだだ」
「酷使出来るな」
「そうだ、それでだ」
「銀山にも送るか」
「だが屑はな」
 そう言ってもいい、悪人の中でもそれこそ生きているだけで害にしかならない使い道もない様な連中はというのだ。
「まさにな」
「一切だな」
「使えない、働ける連中はいいが」
 それならというのだ。
「使えるが」
「しかしだな」
「屑はだ」
 その彼等はというと。
「害毒を撒き散らす」
「何処にいてもだな」
「だからだ」
 そうした者達だからだというのだ。
「殺すしかない」
「そうだな」
「それ故にだ」
「殺すのだな」
「生きていても仕方のない連中はな」
 英雄の言葉は絶対のものだった、揺るぎのない。
「そうしていく」
「これからもだな」
「そういうことだ、それと俺達は石見の銀山を得たが」
 ここでだ、英雄はその目を鋭くさせてこうも言った。
「今度は金山を得たい」
「佐渡か」
「そして甲斐のだ」
 この二つの地域のというのだ。
「二つの金山をだ」
「得てか」
「より豊かにしたい」 
 この国のというのだ。
「そうしたい」
「金山も手に入れてか」
「そうしたい、戦になってな」
 そしてというのだ。
「その時にな」
「得るな」
「そうしたい、だが」
「それでもか」
「先の話だ、金山は何時でも手に入る」
 佐渡そして甲斐のそれをというのだ。
「だからな」
「焦らないか」
「そうだ、腰を据えて政を行う」
「欲は出さないか」
「欲を出すべき時は出すが」
 しかしというのだ、英雄は鋭い目のまま言った。そうしつつ彼は幸正に対してさらに話したのであった。
「今は出すべきではない」
「だからだな」
「今はいい」
 まさにというのだ。
「金山はな」
「そうか、では暫くは山の富はだな」
「銀山だけでいい」
 石見のそれでというのだ。
「ではな」
「はい、それでは」
「その様にする」
 こう言ってだった、そのうえで。
 英雄は今は政に専念することにした、欲をあえて出す様にはせずそのうえでしっかりと足場を固めることに専念するのだった。



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