第三章
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「クゥ〜〜ン」
「ワンワン」
「バウバウ」
子狼達がホースセンの足元に来て身体を摺り寄せてきた、その様子を見てベルは笑顔で頷いてそのうえで言った。
「何かな」
「犬と変わらないだろ」
「ぱっと見な」
「ああ、けれどわかるだろ」
「よく見たらな」
ベルも答えた。
「狼だってな」
「シベリアンハスキーやシェパードと違うんだよ」
狼はというのだ。
「雰囲気がな、役所に届けて認められてるからな」
「飼っても問題ないか」
「ああ、それでご近所にも話してな」
「納得してもらってるか」
「飼ってるとな」
ホースセンは気軽に笑って話した、彼の家両親と一緒に住んでいるそこのリビングの中でベルと話していてそこに狼達もいるのだ。
「犬のいいところがそのまま出てな」
「可愛いか」
「ああ、しかもな」
それと共にというのだ。
「狼だからな」
「いざって時はか」
「番犬にもなってくれてるさ」
「しかも五匹もいるしな」
「いいぜ、この前散歩していたら」
その時にというと。
「五匹共連れていたけれどな」
「どうなったんだ?」
「近所の柄の悪いガキ共がいたんだが」
「ああ、ハイスクールのか」
「いるだろ、何人か」
「やりたい放題やってるな」
その不良達のことはベルも知っている、それで言うのだった。
「そういえば」
「ああ、その連中が前から来たけれどな」
「絡んでくるよな、この流れだと」
「それがな」
「この子達を見てか」
ホースセンの周りにいる五匹の狼達を見て言った。
「絡んでこなかったか」
「睨まれてな」
狼達にというのだ。
「そそくさと逃げていったさ」
「あいつ等なら銃を持っていても不思議じゃないな」
「けれどな」
「そんな連中でもか」
「逃げたんだよ」
それこそそそくさというのだ。
「そうなったんだよ」
「それは凄いな」
「最高の番犬だよ、この子達は」
狼達を見て笑顔で話した。
「優しいし家族思いでな」
「それにだな」
「いざって時は不良でも一睨みで退散させる」
「熊より厄介な連中でもそうするなんてな」
キャンプ地での話をここでまた出した、グリズリーよりも銃を持った暴漢の方が危険でありアメリカにはそうした連中もいることを。
「凄いものだな」
「ああ、だからな」
「それでか」
「これからもな」
「その子達と一緒に暮らしていくか」
「そうしていくよ」
ホースセンは笑顔で話した、そしてだった。
狼達の頭をそれぞれ撫でた、すると彼等は目を細めさせ耳も尻尾も垂れさせた。ホースセンだけでなくベルも彼等を見て笑顔になった。
狼を飼って 完
2020・6・17
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