第二章
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「いいさ、親子は人間も狼も同じだからな」
「だよな、それじゃあな」
「ああ、早く罠を外してやろうな」
「そうしような」
こうした話をしつつ罠を見ているとだった、そこに。
新たな狼が来た、この狼は大きな灰色狼だった。その狼は二人を見て威嚇する様に唸ったが。
罠にかかったままの雌狼が一声鳴くと急に大人しくなった、そしてだった。
二人を警戒しつつも子狼達のところに来て寄り添った、ベルはその狼を見てそうしてホースセンに話した。
「父親みたいだな」
「そうみたいだな」
ホースセンもこう答えた。
「この灰色狼は」
「狼は本当に家族の絆が強いんだな」
「そうみたいだな」
「じゃあ早く罠外してやるか」
「そうしてやるか」
こうしたことを話してだった。
二人で罠を外した、すると。
五匹の狼達はホースセンに寄り添ってきた、彼は自分のところに来た狼達を見て言った。
「これはどういうことなんだ」
「お前に助けてもらって懐いたみたいだな」
ベルはホースセンに笑って答えた。
「どうやら」
「そうなったんだな」
「ああ、お前を主と認めたんだろうな」
「犬は狼からなったしそこは同じなんだな」
「それじゃあどうするんだ?」
ホースセンにこれからのことを尋ねた。
「この一家を」
「ああ、懐いたならな。それに今うちは番犬がいないからな」
「だからか」
「ああ、この一家引き取ってな」
「そうしてか」
「番犬、ペットにするか」
「そうしようか、犬よりもな」
ホースセンは笑ってこうも言った。
「強いだろうしな」
「狼だからな」
「それに五匹もいたら」
それこそというのだ。
「大抵の暴漢は逃げるだろ」
「そうだろうな、幾らその暴漢が銃を持っていてもな」
「マシンガンでもないとな」
アメリカではガンショップでこうしたものも撃っている、こうしたところもまたアメリカであるのだ。
「それこそな」
「狼には勝てないな」
「もうナイフ位じゃ」
「五匹の狼には勝てないな」
「後は食費位だな」
ホールセンは笑ってこちらの話もした。
「頑張って働くか」
「そうするか」
「ああ、これまで以上にな」
ベルに言ってだった、彼は。
キャンプは切り上げて自分に懐いた狼達を引き取ってここまで来たワゴン者に全匹乗せてそうしてベルと共に家に帰った。
そうして早速狼達と名付けてだ、その名前は。
「父親がロバートでな」
「母親がハンナか」
「それで子供達はプラシド、シェイロン、マリアにしたよ」
「ルーツが色々だな」
「ここはアメリカだろ」
ベルにこう話した。
「だからな」
「それでか」
「ああ、もう名前はな」
「アメリカは色々なルーツの人がいるからか」
「だからな」
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