第一章
[2]次話
ホームレスと猫
シェイク=ホーエンは獣医に傷付いた黒猫、雄の彼を連れて行ってそれから困惑していた。それで獣医に言った。
「俺ホームレスなんで」
「お金はですか」
「これだけしかないんです」
茶色の髪の毛はぼさぼさで薄い顎鬚を生やしている、ラフな服は汚く確かにホームレスにしか見えない。顔も整っているが表情は冴えない。
「これだけでいいですか?」
「ええ、それなら」
獣医もホーエンが出した金を見て応えた。
「貴方の今の全財産ですね」
「そうなんですよ」
「なら構いません、貴方のお心受け取りました」
「そうですか」
「ただその子は野良猫ですね」
獣医はホーエンに猫のことを尋ねた、手当を受けてほっとしている感じだ。
「そうですね」
「はい、そうです」
「それならです、野良猫ですから」
「身寄りがないからですね」
「今は無事でも保健所に連れて行かれるかも知れないので」
それでというのだ。
「貴方がこの病院に連れて来てくれましたし」
「その縁で、ですか」
「貴方さえよかったら」
「仕方ないですね」
ホーエンは頷いた、そうしてだった。
その猫を引き取って一緒に暮らしだした、彼はロンドンでストリートミュージシャンをしていたが売れなかった。それでホームレスをしていたが。
猫を連れているとそれが評判になりチップも増えた、それで彼は馴染みになった獣医に猫を連れて行って話した。彼と猫はいつも一緒にいる様になっていた。
「こいつのお陰で、ですよ」
「チップも増えましたか」
「はい」
その猫を見つつ話した。
「そうなりました」
「それは何よりですね、それでなんですが」
シェイクは獣医にさらに話した。
「こいつの名前もつけました」
「何という名前ですか?」
「サムです」
こう獣医に紹介した。
「そう名付けました」
「サムですか、いい名前ですね」
「そう言ってくれますか」
「はい、ではこれからもですね」
「こいつと暮らしていきます」
ホーエンは笑顔で話した、そしてだった。
サムを連れてストリートミュージシャンをやっていった、だが彼が人気者になったのを妬んだ別のホームレス達が彼が金に無理に金を出させて音楽をしていると警官に嘘の情報を流した。その結果として。
「演奏が出来なくなったんですか」
「はい」
ホーエンは獣医に困った顔で話した。
「そうなりました」
「なら収入の道は」
「なくなりましたし」
それにというのだ。
「どうやって暮らしていけば」
「サムのこともありますしね」
「正直困っています」
「ニャア」
サムはホーエンの手の中に抱かれている、そこで鳴いた。
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