第15話 泉美の初陣と、神聖なる拳の者:後編
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のであった。
当然この状態に高嶺は納得がいかない。なので、無粋とは知りつつもそのからくりを敵に聞くのであった。
「あなたは……一体何をしたのですか?」
そして、根が真面目な性格の泉美は、それに対して律儀に答えるのであった。しかし、それは高嶺が予想にも至らなかった答えであるが。
「はい、このクライシスドリルアームは『HP』の三桁目の数値が高い程威力が増すのですよ」
「ひっとぽいんと?」
当然その沸いて出た場違いな言葉に、高嶺は普段のクールな振る舞いを忘れて素っ頓狂な声を出してしまうのであった。
その反応は無理もない事であろうと泉美は思うのであった。ヒットポイント等という言葉は日常ではうちゃらけてゲームの話を取り込んでいる時位しか出ては来ないのだから。
その意味を泉美は明かすのであった。
「ちょっと、私がコマンダードリルに細工をしましてね。この子の耐久力を数値で表示出来る機能を搭載しておいたという訳ですよ♪」
「神機楼に……改造じみた事をしたのですか?」
その言葉に高嶺は動揺するのであった。その気持ちは千影も同じであった。
「さすがは、IQ152だけの事はあるって訳ね……」
IQとはあくまで目安の知能指数であるのだが、やはりそこで高い数値を叩き出す程の頭脳明晰っぷりが泉美にはあるのだと、千影は再確認する所であった。
そして、合点がいった高嶺はまくし立てるように言う。
「では、あの時あなたはHPを調整しておいたという事になるのですか?」
そう、泉美が一度高嶺に対して防戦一方になってしまった時の事である。その時に敢えて泉美は自身の機体に少量のダメージがいくようにして、それでHPの三桁を最大の9になるようにしていたというのが事の真相なのであった。
「申し訳ないです。あなたが戦士として私と戦ってくれたのに、私はHP調整なんてゲームじみた事をしてしまって」
その戦士としての相手を侮辱するようなものだと泉美は頭を下げるのであったが。
「いいえ、戦い方とは人それぞれですから、自分に誇りを持って下さい。それに、神機楼をそのまま戦わせるのではなく、自ら手を施すという入念さもですよ」
「ありがとうございます……」
そう言って再度頭を下げる泉美。これではどちらが勝ったのか分からないだろう。
そう、ここにこの勝負は泉美の勝ちという形で幕を下ろしていたのであった。そして、泉美は勝利者の権利という訳ではないが、ここで聞いておかなければならない事があるのであった。
「それで、高嶺さん。あなた程の立派な人が大邪に加担するようになった経緯は何ですか?」
当然それを聞いておかなければならないだろう。破壊活動など、おいそれと行っていいものなどではないのだから。
その問いに、敗者の義務だろうと律儀に高嶺は
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