第15話 泉美の初陣と、神聖なる拳の者:後編
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あったが、その攻撃は敵に直接届く事なく決定打とならないでいるのであった。
そして、これは既に時間の問題となっていたのだ。
「ここまま、そのくちばしをへし折ってあげましょう♪」
彼の方が優勢である高嶺は、彼の性格らしくない茶目っ気を出した口調で泉美に対して言うのであった。
だが、その余裕が彼にとって命取りとなるのだった。
「勿論、このまま攻撃をするつもりなんてありませんよ」
「!?」
その一瞬の泉美の言葉に高嶺が驚愕してすぐを狙い、彼女は愛機のくちばしを一気にドリル型から元の形状へと戻したのであった。
その予想しえなかった展開に、高嶺は思わずひるんでしまった。それが、彼にとって致命的になったのだ。
「うっ……」
突如として高嶺を襲う安堵とも倦怠感ともつかぬ感覚。そして、彼の集中力はそこで途切れてしまったのである。
そう、この瞬間にどうやら三分間経過していたようであった。
当然、今のこの絶好の好機を逃す泉美ではなかった。
「今ね!」
すかさず泉美はそう言うと、自身の愛機を鳥型から元の人型へと変型させたのである。そして、彼女の行動はそこで終わりではなかったのであった。
続いて彼女は愛機の右腕をドリル状へと変型させて、それを敵目掛けて突き込む。それは。
「もう一度喰らいなさい、クライシスドリルアーム!」
そう、先程彼女が見せたドリル攻撃であるのだった。だが、それは敵により弾かれてしまったのは記憶に新しい所であろう。
なので、高嶺は油断するのであった。この攻撃は、また先程のようにはじき返してしまえばいいだろうと。例えボクサーの宿命で今集中力が途切れているとはいえ、先程程度の攻撃ならばまた問題なく防げるだろう。
しかし、それこそが彼の読み違いであり、加えて泉美が狙った通りの展開であったのだ。
その見た目は紛れもなく先程防がれたドリルの回転。だが、その『威力』がまるっきり違ったのである。
「! ぬおおおぉぉぉぉっ!」
その圧倒的な違いに高嶺が気付いた時には既に遅かったのであった。今のドリルの螺旋状の回転による破壊力は、先程とはまるで違っていたのであった。
そのドリルの回転力は、敵が合わせて来た左腕を文字通り粉々に砕いてしまったのだ。みるみるうちに左腕のパーツが無数の部品となって飛び散っていったのであった。
そして、気付けばマスラオノコブシの左腕から第一関節部分までが綺麗さっぱりと粉砕された状態となっていたのだ。
そして、この状態ではもはやまともな戦闘が出来ないだろうという高嶺の心を神機楼が感じ取ったのか、彼は神機楼から解放されて光となって地上に降り立ったのである。
それに続いて、泉美もカルラノカブトから光となって降りるに至ったのであった。そして、二人は生身の姿で対峙する事となっていた
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