第14話 泉美の初陣と、神聖なる拳の者:前編
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けなくフリッカージャブの餌食となり、しかもそれは刃物で切ったかのように真っ二つになってしまったのであった。
そのような殺傷力が生まれたのは、高嶺のボクサーとしての技術と、神機楼自身の性能から来たものであり、どちらか一方でも欠ければ成し得ない事だった。
だが、それは泉美の目論見通りだったのである。
「掛かったわ♪」
そう泉美が言うと同時に、真っ二つにされたある物から、一気に何かが吹き出したのであった。
それは、霧状となった酸であったのだ。
「っ!?」
これには高嶺も驚愕し、咄嗟にその振りかざした左腕をそこから引っ込めたのである。そして、見ればその左腕が少し溶け出してしまっていたのであった。
それに驚き一瞬の隙を見せた高嶺。そして、それを逃す泉美ではなかった。
彼女は搭乗機体の右手をドリルへと変形させたのである。そのような性能がこの『カルラノカブト』には備わっているのであった。先程の酸の爆弾といい、多芸なようだ。
そして、その螺旋状の穿孔機を回転させながら、泉美はそれを相手に叩き込む。
「喰らえ! クライシスドリルアーム!」
その宣言と共に、泉美はその右腕を敵目掛け突っ込む。ボクシングには拳を捻り威力を増させる『コークスクリュー』という技があるが、今のカルラノカブトの右腕はドリルとなって回転している為、その威力は比較にならないだろう。
その攻撃に合わせる形で、高嶺は機体にフリッカージャブを繰り出す。
すると、泉美のドリル攻撃はその飛び出しナイフによってあっさりと弾き返されてしまったのであった。
「くっ!」
泉美は驚愕してしまう。自分の攻撃を防がれた事にも、そして敵が再び左腕で攻撃してきた事にも……である。
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