第12話 作戦会議
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事なのであるから問題ない、多分。
そう、泉美はその写真を二人に公開したのは、大邪との戦いを終わらせ再び平和を取り戻す為の作戦であるのだった。
そして、今一度その写真を彼女は二人に見せるのであった。
そこには、リーダー格とおぼしき修道女に、屈強さと紳士性を持った男性と、どこか出不精そうな眼鏡の女性の三人の姿が映っていた。その三人が誰であるか、幸いこの場にいる三人は知っていたのである。
「この男の人はプロボクサーの『ギロチン高嶺』さんよね?」
「それでこの女の人は漫画家の『春日レーコ』先生だよね?」
その者達は千影と姫子にも見知った顔の有名人であった為に、彼女は皆一様に驚きの言葉で以って口にするのであった。
「こんな有名な人達が……大邪に……?」
「有名とか、そういうのは関係なくあの人と大邪は人の心の中に入り込んで来るわ……私の時のようにね!」
そう言って泉美はあの時の自分がいい例だと、自らの例を利用して二人に言い聞かせるのであった。その説得力のある物言いに、二人は素直に頷く。
そんな二人を見ながら懸命な態度だと感心しながら、泉美は話を進めて行くのであった。
「それで、このリーダー格とおぼしき修道女の人だけどね、こうして今同志を二人も引き抜かれていて、加えて増員で狙った私を手中に収める事にも失敗しているから……次は本腰を入れてくると思うわね」
その自身の読みを、泉美は二人に伝えたのであった。
「あ、それじゃあ、次は残りの二人を同時に仕掛けて来るとか……」
その可能性を示唆する姫子であったが、対して千影は首を横に振ったのである。
「姫子、その二人はプロボクサーと漫画家という、かなり対照的な役職の者よ。それを同時にけしかけるなんて相性が悪くなると思うわ」
そうであろう。方や日頃の鍛錬が欠かせない肉体を行使する役職、方や部屋に籠もり手先を酷使するデスクワーク……どちらも相当の忍耐を要する役職であるという共通点はあれど、行使する内容は正に正反対と言える所であろう。
そう意見する千影に、泉美は頷きながら同意する。
「さすがは千影さんね。忍者故に洞察力が鋭いわ。あ、勿論姫子さんがそうでないとは言ってはいないわ」
「ううん、構わないよ。抜け目のない千影ちゃんや、頭のいい泉美ちゃんと比べたら私は鈍チンもいい所だからね〜☆」
そうおどけて見せる姫子には、全くの自虐的な印象はなく、その天真爛漫さには千影も泉美も安心する所であるのだった。こういう気を張らない性格というのは二人にはない、評価すべき所なのだから。
そう安堵する一人の泉美は、それを有難く思いつつも話を続ける。
「それで、千影さんの言う通り、リーダー格は高嶺さんとレーコ先生を同時には仕掛けないと思うわ。それで、ここからは私の読みとそれに対する作戦を言うわね…
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