第12話 作戦会議
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、そうなりつつも彼女は完全には大邪には染まってはいなかったのであり、故に彼女の中には自身を咎める心が存在していたのであった。
その為、今後の事を考えて泉美はその時の自分の同志となる存在達の姿を写真に収めていたという事である。
「そうなんだ、さすがは泉美ちゃんだね♪」
やっぱりこの子は常に抜け目が無いなと、相変わらずだなと姫子は舌を巻いてしまう。しかし、ここで当然のように先程抱いた疑問が再燃してくるのだ。
「でも、よく撮影なんかして咎められなかったね? ケータイで撮影するとシャッター音するし」
そうであろう。ケータイの写真撮影機能では『常に』シャッター音が鳴る仕様になっているのだ。悪用を防止する意味合いであり、どこのケータイでもそれは変わらないのだ。
だが、この質問は藪蛇だった事を、姫子はすぐに後悔する事になるのだった。
「よくぞ聞いてくれたわ♪」
そういつになく意気揚々としながら泉美は、その種を明かす。
「そこで、この【無音カメラ】の出番だったって訳♪」
そう言いながら泉美は、そこから百聞は一見にしかずという事で実演して見せたのであった。
暫く泉美は千影と姫子の前でカメラを構えていたが、すぐに「はい、もういいわよ」と言って二人を解放したのであった。
「泉美さん……?」
「今何してたの?」
目の前でカメラを構えられただけで『何もされなかった』二人は当然首を傾げる。
そんな二人に、泉美は今し方行った事を証明して見せる。
「はい、これが答えよ」
そう言って泉美が見せたのは、千影と姫子が屋上にいる所の写真であった。そう、紛れもなく……。
「これってもしかして?」
「って事は、今泉美ちゃんは撮影したって事だよね?」
それが答えであるのだった。泉美は今二人をまんまとケータイで撮影してしまったのであった。そう、正に『音もなく』である。
「そう、これが【無音カメラ】の力よ。シャッター音を出さずに撮影出来ちゃうものなのよ」
この機能により、泉美は他の大邪衆に訝しがられる事なく彼等の姿をデータに収める事に成功したという事であるのだった。
「音が無かったからあっさり撮れたわ。ケータイを弄っていた事自体は『まあ、今時の子ならそういうものでしょう』って感じで特に咎められなかったわ」
「それもどうかと思うけどね……」
姫子は敵の理解あるのか警戒心が無いのか判断に困る所に複雑な気分となるのであった。だが、泉美からすれば敵の姿を映せた事が重要なのであり、敵の思惑は問題にする所ではなかったのである。
ちなみに、【無音カメラ】はその性質上悪用されるケースもあるのだが、賢明な読者はそのような事は決してしないように。泉美が大邪衆をこっそり撮ったのはどうなのか? となるが、これは大邪との戦いをより早く終わらせる為に必要な
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