第11話 八雲泉美のガラホな日常
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くが使えない仕様なのである。
その中には、ボタン一つで写真撮影モードにするキーも含まれているのだ。故に、泉美はその機能を一時的に復活させる為にホームの仕様を元に戻したという事なのであった。
「準備、完了ね♪」
そう誰にともなく泉美は独りごちると、これらの操作を施したガラホを愛用の首から掛けるポーチの中へと閉まったのである。
これを首から掛けて、泉美は学校への道を歩むという事なのであった。
そして、先程の話になるが、ポーチに入れて首から掛ける事で、歩数計測の正確さが出るのだ。ケータイをバッグ等に入れて持ち歩いて歩数を計ると思うように歩数が計測されなかったという人は、一度これを試して欲しい所である。
後は、教材が入った学生カバンを片手に持てば、これにて彼女の通学準備は出来たのであった。
「行って来ます、早乙女さん」
玄関の前で、彼女の見送りに来た八雲家専属の執事である『早乙女真人』に対して挨拶をする泉美。
その彼の様相は、黒のスーツにサングラスと、どこぞのエージェントだと言わんばかりの存在感を嫌という程醸し出しているものであった。
だが、泉美はそんな彼が誠実な人格者である事は良く知っているのだった。故に、彼女にとって八雲家で数少ない心を許せる人なのだ。
「お気を付けて、泉美お嬢様」
そう早乙女は言うと、恭しく一礼するのであった。やはりその様は無駄にピッチリしすぎていた。
そう出発の挨拶を早乙女と交わした泉美は、意気揚々と八雲家を後にするのだった。
その足取りは、いつものように心地良いものであった。天気は良いし、歩数計を起動させている為に、『どれだけ歩いたか』という普通では記録出来ない事を記録出来る為に、歩く事にすらモチベーションが沸き立たされるのだから。
そんな状態で泉美は歩いていると、ふと目の前に広がる光景に目がいったのであった。
「あ、綺麗なお花……」
泉美の眼前に、生け垣に咲く、桃色の綺麗な花が飛び込んできたのである。
今では彼女は眼鏡でツリ目というお堅いガリ勉然とした風貌になっているが、彼女とて16歳の年頃の乙女なのである。故に、通学路にて咲いた可愛らしい花を写真に収めたいという願望は強いのであった。
そうなれば話は早い。即ち、『シャッターチャンス』という奴である。
すかさず彼女は首からぶら下げたポーチの中からガラホを取り出し、パカリと開く。
続いて彼女はカメラのアイコンの入った物理ボタンをポチッと押したのである。すると、画面にカメラのレンズに映った光景が映し出される。そう、これで撮影モードとなった訳だ。
ちなみに、そのカメラのボタンを長押しするとテレビ鑑賞モードへと映るのだ。このように、デフォルトの機能も便利で捨て置く事が出来ないのがガラホの強みなのである。
そして、泉
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