第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第27話 レイセン一世:前編
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
力を」
「ええ、聞いていますよ。確か狂気を操る能力だと。でも……」
勇美は鈴仙の能力の事は聞いていた。だがそれで今の現象は納得出来なかったのだ。
「腑に落ちないみたいですね。ならば教えてあげるわ」
そう言って鈴仙は言葉を続けた。
「私の操る狂気は『生物以外にも効く』という事よ」
「そんな事って……?」
鈴仙に告げられて勇美は驚愕してしまった。生き物以外にも通じてしまう催眠術、そんなの規格外だと。
「でも安心して。何でもかんでも通用する訳ではないわ。通用するのは『波状のもの』だけよ」
そう鈴仙は言った。レーザーもエネルギーの粒が波状に集まったものとして扱えたために今のような芸当が出来たという事である。
「でも、取り敢えず……」
鈴仙はそう言って未来の世界のデザインのような銃をどこからともなく取り出した。
「反撃させてもらうわよ!」
そして、彼女は勇美の操る機械の要塞目掛けて引き金を引いたのだ。
すると、銃口から稲妻のようなエネルギーが射出される。それが向けられた先には、要塞の中心に存在するシャッターのような部分であった。
「!!」
勇美は思わず息を飲んだ。何故ならその部分は紛れもなく……。
「その様子だと『正解』だったようね」
「……うっ」
鈴仙に指摘され、勇美は言葉を濁すしかなかった。
そうこうしている内にシャッターは稲妻に貫かれながら派手に火花を散らし──そして粉々に吹き飛んだのだった。
「お見事ですよ鈴仙さん……」
少し悔しそうに勇美は口を尖らせた。
「でも、まだ第一段階をクリアしただけみたいね」
「はい、その通りですよ♪」
鈴仙に言われて、勇美は少し元気付いたような振るまいを見せた。
そう、鈴仙が砕いたシャッターの先には更にシャッターが存在していたのだ。つまりまだ勝負は着いていない訳である。
「それじゃあ、次の手を打たせてもらいますよ!」
言って勇美は新たなるスペルカードを取り出す。
「【侵略「スキッドテンタクラー」!】」
その宣言により、要塞に変化が起きた。その身体から次々と機械の触手が生えてきたのだった。
「触手……。まるでイカみたいねっ……って」
言ってる途中で鈴仙は気付いてしまった。『スキッド』は英語で『イカ』の意味であったと。
「そして『侵略』。これもパクリな訳ですか!」
「まあ、カタい事は言いっこなしですよ」
「カタくないわよ! 色々とマズいわ!」
と、そんな不毛なやり取りをする二人だったが、やがて両者とも気を引き締め直す。
「ともあれ行きますよ。果たして私の触手の包囲網を攻略出来るでしょうか?」
「望むところよ」
言い合ってから先に仕掛けたのは勇美であった。
「マッくん、お願いね♪」
勇美の呼び掛けを受けると、要塞は十本
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ