第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第27話 レイセン一世:前編
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依姫の元で訓練を受けただけの事はあるだろう。
まず一発目のレーザー。これを難なくかわす。続いて二発目も同じ要領で回避した。
「やっぱり鈴仙さんは強い……」
今の状況から勇美はそう痛感した。やはり戦いに備えて長い間依姫の元で鍛練したが故に実力は高いのだろうと。自分も依姫の元で修行を始めているのだが、何せまだ鈴仙と比べてその期間は短いのだ。
「だけど!」
その事実を言い訳にして逃げに回るつもりは勇美にはなかったのだ。
確かにこの勝負では自分は悪役を務める事にしたが、だからといってむざむざ勝ちを譲る気はないのである。
勇美が戦艦から放ったレーザーは一発目と二発目は軽くかわされてしまったが、まだ二発残っている。
そして三発目が鈴仙を捉えた。
「!!」
避けるタイミングを見誤ってしまった鈴仙であったが咄嗟に迫るレーザーに、指で銃の形を作り向けた。
そして指の銃口から無数の弾丸が発射された。
「あ、これが噂の『座薬』ですね♪」
「座薬言うな!」
と、しょうもないやり取りがなされている間にも、弾丸は次々に繰り出されていった。
矢継ぎ早にレーザーに特攻を仕掛けていく弾丸の兵団。それにより立て続けに小規模の爆発を起こしていく。
そして、見事に弾丸の群れはレーザーを相殺したのだった。
「そんな……」
通ると思った攻撃が防がれ、勇美は落胆してしまう。
だがすぐに彼女は気を持ち直した。
「だけど、最後の一本は残っていますよ!」
勇美のその言葉通り、四発目のレーザーが鈴仙目掛けて迫っていたのだ。
このままでは鈴仙は攻撃を受けてしまうだろう。
だが彼女は慌てる事はなかった。
「【懶符「生神停止」】」
鈴仙のスペルカード発動である。この勝負が始まってから初めての鈴仙のスペル宣言であった。
すると今まで鈴仙目掛けて直進していたレーザーがピタリと停止したのだ。エネルギーであるレーザーがまるで固形物のように固定されているのは目を引くものがあった。
「レーザーが止まった!?」
驚く勇美。だが異変はそれだけには留まらなかったのである。
レーザーが横に動き始めたのだ。それもレーザーが棒のような形状を保ったままずらされるかのように。
そしてひとしきりレーザーは移動させられたのを見計らって鈴仙は指をパチンと鳴らした。
するとそれを合図にしたかのようにレーザーは再び直進したのだ。ただし今度は鈴仙のいない、あらぬ方向であったが。
そしてレーザーは地面に突き刺さり穴を開けて消滅した。
それはまるで……。
「レーザーが……催眠術に掛かったかのよう」
「ご名答ですよ」
驚き呟く勇美に、鈴仙はいつになく得意気にのたまった。
「勇美さん、聞いていませんでしたか? 私の能
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