第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第27話 レイセン一世:前編
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がらも依姫はどことなく期待をしてしまう。勇美は何をしでかしてくれるのかと。
そう依姫が思っている間にも、みるみる内に金属片やら部品やらが集約していったのだ。
(あれっ……?)
その最中、依姫は異変に気付いた。その異変は二つあった。
まず一つに集約する箇所が勇美の傍らではなく、彼女よりも上空であった事。
そしてもう一つは……。
(何か大きいわね……)
そう依姫が思ったように、その規模であったのだ。
勇美が形成するその鉄の塊はざっと見積もって、全長が5メートルにはなろうかとしていた。
(勇美、どうするつもりかわからないけど、見届けさせてもらうわ)
ますます依姫の期待は膨らんでいくのだった。
そして、とうとうその巨大空中建造物は完成した。
まず、第一印象は『巨大な要塞』とでも言うべきものであった。
続いての特徴は先端には砲身が四つ程あり、威圧的な貫禄を醸し出している。
その四つの砲身を隔てるかのように何やらシャッターのような物が備え付けられていた。
それを見ながら鈴仙は思った。「何かどこかで見たような気がする」と。
その予感は(主に悪い意味で)的中する事となる。
「驚きましたか鈴仙さん? どうですか、私の『戦艦 超イイ匂いビックリコア』のお味は?」
──やっぱりパクリだった。それも色々。そういえばさっきからいい匂いがするが戦艦に香りなんていらないし。
「……ノーコメントでお願いします」
「分かってませんねぇ〜鈴仙さん。そこは『ノーコメもアリや』じゃないと♪」
「……」
もはやそれ以上突っ込む意欲すら鈴仙には残っていなかった。
「ふぅ……取り敢えず始めましょう」
だが、気を取り直して勇美との勝負に臨む事にしたようだ。
「そうですね」
対して今までふざけていた勇美も、ここで気を引き締める。──そう、抜かりなく自分はこの場で『悪役』を務め切らなければならないのだから。
なので勇美は悪役らしく、まず自分から仕掛ける事にしたのだ。
「『ビックリコア』ちゃん、やっておしまい!」
……どうやらまだ悪ノリが抜けきっていないようだ。悪役も悪役だが、よりにもよってとある三悪玉のリーダーの紅一点というチョイスであった。
「勇美さん、それだと負けた際にポロリ(死語)になりますよ」
「大丈夫ですよ鈴仙さん、私にはこぼれる程のものなんて……うっ」
やってしまった。勇美は自ら盛大に地雷を踏んでしまったのだった。
「とっ、とにかく……砲撃開始ーっ! 【光符「宙を彩る青き線」!】」
「……何かそれ、八つ当たりっぽくないですか?」
理不尽な怒りをぶつけながらスペル宣言をする勇美に鈴仙は呆れてしまうが、それも一瞬の事。すぐに自分に迫り来る攻撃に目を向けて気を引き締めた。
その辺りはさすが
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