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ロックマンZXO〜破壊神のロックマン〜
第五十三話 油田
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能力の威力は自分も身を以て知っている。

「(正直、モデルAの火力じゃ押し切れないわ。あいつ、ホーミングショットの弱点に気付いたのかアタシと距離を取りながら撃ってくるし)」

モデルAの火力は全てのロックマンの中でも低めに位置する。

それを手数で補っていたのだが、アトラスはホーミングショットの弱点であるレーザーサイトからの範囲外から攻撃し、リフレクトレーザーを火炎弾で相殺しながらショットを連射してくるためにジリ貧状態になっていた。

「(分かった、アッシュ。気を付けて)」

「(誰に言ってるのよ、アタシは一流のハンターよ。心配ご無用!!)」

グレイとの作戦会議を終了し、グレイはクロノフォスに変身してチャージを開始する。

「これで終わりだ!吹き飛べ!!」

二丁のナックルバスターを構えて溜め動作の後に巨大な火球を二発発射し、それをかわすが壁に着弾した瞬間に無数に分裂してアッシュに迫る。

「こんの…ギガクラッシュ!!」

対するアッシュもモデルAの奥の手を使い、銃身を高速回転させながら交互に存在する銃口から広範囲にショットを乱射するギガクラッシュを繰り出す。

分裂した弾を全て相殺するが、アッシュは特殊攻撃に必要なエネルギーを一気に消費してしまう。

「奥の手を隠していたか。だが、その様子だと連続での使用は出来ないようだな。これで終わりだ」

「………それはどうかしら?」

ダッシュしながらメガトンクラッシュを繰り出そうとするアトラスだが、不敵な笑みを浮かべるアッシュの言葉に疑問を抱く前に徐々に自分の動きが鈍くなっていることに気付いた。

「何…!?体が…」

「アタシに夢中になってグレイのことを無視していたのが仇になったわね」

「っ……!」

グレイの方を緩慢な動きで見遣ると、クロノフォスのタイムボムを発動してアトラスの動きを鈍くしているグレイの姿があった。

そしてグレイはロックマン・モデルAに変身してバスターを構えてレーザーサイトを出した。

「喰らえっ!!」

ホーミングショットとチャージバスターの同時攻撃。

「ぐあっ!?」

「あんたの敗因はアタシ達を舐めすぎていたことよ。チェックメイトってね」

とどめにリフレクトレーザーを発射し、タイムボムの影響が抜けていないアトラスに直撃した。

そしてダメージに耐えきれずに膝を着いた瞬間にタイムボムの効果が切れたのを感じた。
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