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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
理想の男
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<ムオル近郊>

ティミーは駆け足でアルルの後を追う。
彼女は村を出て、少し離れた所で『デッドペッカー』と呼ばれるモンスター4体に襲われていた!
普段であれば手こずる敵では無いのだが、アルルは1人で…しかも頭に血が上った状態の為、苦戦を強いられている!

「くっ…アンタ等なんかに負けるかー!!」
アルルはデッドペッカーに剣を振るが、大きなダメージを与えられないでいる。
理由は戦闘開始直後、ルカナンで守備力を下げられ、デッドペッカーの大きなくちばしで腕を怪我してしまったからだ!
自らホイミで回復するも、敵の絶え間ない攻撃で回復が追いつかず、力が入らないのだ。

「くっそ!!私は勇者だ!私がこの世界を平和にするんだ…あの男じゃない!!」
言葉と共に剣を振り下ろすアルル…
しかし肩口に受けた傷から、大量に流れる血の所為で剣を持つ手が濡れ、剣を滑らせ後方に落としてしまった!
そんなアルルに一斉に襲いかかるモンスター!

「アルル!伏せて!!」
ティミーの声が聞こえ、咄嗟に伏せるアルル。
「ギガデイン!」
けたたましく鳴り響く雷鳴…
デッドペッカー4体はティミーの作り出した雷撃で、一瞬にして葬り去られた。
「ベホマ」
ティミーはアルルに近付き魔法で傷を治癒する。


「あ、ありがとう…私…」
「気にしないでアルル。あんな事を聞いた後だ…取り乱すのも当然だよ。自慢じゃ無いが、僕はその道じゃアルルより大先輩だからね!気持ちはよく分かる…」
俯くアルル…
ティミーとしては、最大のジョークのつもりで場を和まそうとしたのだが…

「あの、アルル…その…男という存在が憎いのなら、僕を殴るといい…僕も一応男だし…でも、ポポタ君には罪は無いから…」
「ちょっと、ティミーにだって罪は無いでしょ!…ただ、アリアハンに帰ればお母さんが待っているのに、こんな僻地で浮気した父が許せなくって………ごめんね、迷惑掛けて…」
「そ、そんな…迷惑じゃ無いよ…僕も分かるし…」


二人は草原の真ん中に座り込み、暫く何も喋らない…
沈黙を破ったのはアルルからだ…
「ねぇティミー…貴方が初めて腹違いの兄妹に出会ったのって何時?」
自分の膝を抱え、地面だけを見ながらアルルは問いかけた。

「………あれは、8歳の時だ。石にされてた父さんを助け、心配してくれた人々に挨拶に行った時…同い年の妹…リュリュに出会った」
「リュリュ?…ティミーが惚れてる人よね」
ティミーの話を聞きたくなったアルルは、視線を彼に向け質問をする。

「うん…最初、僕は彼女が腹違いの妹って知らなかったんだ…今思えば、リュリュは父さんにそっくりなんだし、疑問に思えば良かったんだけど…その時は…」
少し苦笑いしながら話すティミー…
「父さんと同じ瞳をしてい
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