理想の男
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てね…凄く可愛いんだ!声も可愛くって、何もない村なのに凄く楽しそうに紹介してくれたんだ…」
「じゃ、何時…妹だと知ったの?」
「母さんを助け出し、皆さんの元へ挨拶に行った時に、父さんが突然真実を打ち明けたんだ!…それを聞いた時は混乱したね!意味が分からなかったから…僕のお母さんはリュリュとは他人で、リュリュのお母さんは僕とは他人…」
「どうやって納得したの?」
「…納得か………多分…してない!今はしてるよ!!でも、あの時は…」
悲しそうな表情で話し続けるティミー…
そんな彼を優しく見つめるアルル…
「納得はしてないけど、こう思う事にしたんだ…『僕はリュリュを好きになってはいけないのだ』と…」
「え!?それは違うわ!!」
「うん、分かってる!今はもう分かってる!でも、その時はそう思う事で勇者としての使命に集中する事が出来たんだ!これから魔界へ乗り込もうとしてたからね…集中しないと!」
「…辛かったでしょ」
「イヤ…その時は平気だったんだ…それより、平和になった後の方が辛かったね!僕と彼女は兄妹なのだから、好きになってはいけない…そう思えば思うほど、好きになってくんだ!」
「ティミーは真面目だから…思い詰めちゃうのね。………大変ね、真面目に生きるって!」
「はははは…本当だね。父さんみたいに生きれたら楽なんだろうけどね…」
「やっぱりティミーも、リュカさんみたいな生き方に憧れるの?」
「………悩みが無さそうで、羨ましく思う時はあるけど…憧れはしないなぁ……それに、あんな生き方する男は嫌いだろ、アルルは!?」
「え?う、うん…大嫌い!私の理想の男性は、浮気を絶対にしない人だから…」
二人とも遠くを見つめ、互いの言葉を噛みしめる。
「僕は勇者で、グランバニアに帰れば王子なんだ…でも僕にはどちらも役者不足なんだ!勇者としては不甲斐ないし、王子としてもセンスがない…」
「そ、そんな事な「でも!」
ティミーの言葉を否定しようとしたアルル…それを遮り、ティミーはアルルを見つめ言葉を続ける。
「でも…君の理想の男にはなってみせる!」
「え………それって………」
「さっきも言ったけど、僕はリュリュが好きだった!何時も彼女の事を考えていた…でもアルルの側に居ると、リュリュの事ではなく、君の事ばかりを考える様になっていた!最近では、居ても居なくてもアルルの事を考えてる…僕は君の事が…す、す、好きなんだ…」
ティミーは勇気を振り絞り、アルルへと愛の告白をした…最後は枯れそうなほど小さな声だったが、確実にアルルの耳へと届いていた!
「あ、あの…わ、私……」
顔を真っ赤にしたアルルが、返答に困っている。
「返事は…今じゃなくて良いよ。僕の気持ちの問題で、告白してしまったのだから………リュリュの事を好
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