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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第98話 姉妹 前編
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家の沽券に関わります。それが分からぬ姉上ではないでしょう?」

真悠に指摘され、自分の落ち度に気づいた。

私としたことが冷静さを失っていた・・・・・・。

正宗様のことばかり口うるさくは言えぬな。

「では、どうして私の命令に従った」

「思い詰めた姉上を見て見ぬふりはできないでしょう。あの状況で姉上の密命を私が断ったとしも、他の者に出されたでしょう。他人に大きな借りを作る位なら、身内が泥を被った方がましです」

真悠は淡々と言った。

「しかし、何故に北郷に必要以上に挑発することをした」

「姉上が危ない橋を渡ってまで、兄上を正そうとしたのに、不発では危険を犯す意味がない。北郷が何もせず、ただ逃亡したのでは、兄上が并州に出張らなかったかもしれない。それでは姉上が傷を抱えたままになります」

真悠はそれ以上は言わなかった。

北郷の件を内々に納めるのであれ、それが出来ずとも早めにこの件の裁きの結論は出すべき、妹はそう言いたいのでしょう。

もし、それを司馬家に悪意を持つ者が利用する事態になれば面倒なことになったかもしれない。

私の行動は本当に軽卒でした。

でも、後悔はしていない。

「真悠、ごめんなさい」

「善いのですよ。それに、姉上が全てを公の罪を被って下さっても、母上と奈緒姉上の私への怒りは消えないと思います。だから、可能な限り穏便に済まそうと思ったのです。母上と奈緒姉上は今回のことお冠だと思います。姉上、一応覚悟して置いた方がいいです」

確かに、あの2人は面倒・・・・・・

謹慎中は毎日、奈緒姉上にいびられるだろう。

母上と奈緒姉上は典型的な士大夫の鏡ですからね。

母上は漢室に忠誠を示し、奈緒姉上は正宗様に仕えた以上は漢室を立てるとはいえ、一旦ことが起きれば正宗様への忠義を優先するだろう。

そんな2人からすれば、私の今回の所行は万死に値すると思っているはず。

今更ながら、気が重い。

「だいたい、兄上が劉備への温情と同様に姉上を許されれば話は丸く収まったはずです。それなのに、頑固の一つ覚えに『絶対に罰する』と言い張るものですから」

真悠は正宗様の愚痴を吐いた。

「それでは意味がない」

私は真悠の愚痴を制し、ひと呼吸置くと話を続けた。

「今後、劉備の如き、理想論者が正宗様の元に現れるかもしれない。見た目が善人だからと情に絆され、罪を犯した者を罰すことに躊躇すれば、正宗様は遠からず自滅するだろう」

そう、劉備のような理想論者は毒でしかない。

周囲に実現できぬ理想を振りまき、乱すだけだ。

叶うなら、劉備を始末したい。

あの者は乱世になれば、田舎の役人として大人しく引っ込んでいる訳がない。

世に毒を撒き
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