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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第36節「戦場にセレナーデを」
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先に出撃した純とクリスは、本部からの通信で翔と響が調、ツェルトの二人と共に出撃した事を知らされ驚いていた。

「翔と立花さんが、F.I.S.の装者達と一緒に?」
「ったく、あのバカ。想像の斜め上すぎんだろ……」

悪態をつきながらも、クリスはどこか納得したように笑っていた。

「了解です。直ちに合流します」
「ノイズを深追いしすぎたか……。純くん、戻ろうぜ」

二人が来た道を引き返そうとした、その時……大量の剣が降ってきた。

「「ッ!?」」

後ろに飛んで避ける二人。
着地と同時に純がシールドを大盾へと変形させ、降り注いだそれらを防いだ。

「どうやら誘い出されたみてぇだな……そろそろだと思ってたぜ」
「……」

見上げた小高い崖の上には、刀を手にした翼が立っていた。


ff

「待ってろマリィ……絶対に助けに行くからなッ!」
「でも、どこに向かってるんだ?」

一方、響と調、翔とツェルトはそれぞれのマシンの轍をフロンティアの大地に刻みながら、中央遺跡へと向かっていた。

「あそこに皆がッ!?」
「わからない。……だけど、そんな気がする……」
「気がするって──」

響が首を傾げた次の瞬間、いきなりターンしてブレーキをかける調。
同時にツェルトもバイクを止めた。

「──うわああッ!? ど、どうしたの?」
「あれは……ッ!」

調の見つめる先を見上げる一同。
そこに立っていたのは……マフラーを風になびかせ、悪魔の角つきフードを被った切歌だった。

「切歌ちゃんッ!」

「──Zeios(ゼイオス) igalima(イガリマ) raizen(ライゼン) tron(トロン)──」

次の瞬間、切歌は自らの胸の歌を口ずさむ。
“夜を引き裂く曙光の如く”と……。

イガリマのギアを纏い、切歌はその手に小鎌を握る。

「切ちゃん……ッ!」
「調ッ! ツェルトッ! どうしてもデスかッ!?」

鎌の柄を伸ばし、グルグルと回しながら大鎌へと変形させた切歌は、それを構える。あちらは既に臨戦態勢のようだ。

「ドクターのやり方では、何も残らないッ!」
「調の言う通りだッ! あの野郎、フロンティアを利用して人類の支配者になるつもりだぞッ! 世界を救うつもりなんて微塵もねぇんだッ!」
「ッ! それでも……ドクターのやり方でないと何も残せないデスッ! 間に合わないデスッ!」

言い合いを始める三人。響は慌てて割って入る。

「3人とも落ち着いてッ! 話し合おうよ!」
「「戦場で、何をバカなことをッ!!」」
「まあ、そうなるわな……」
「いつぞやの姉さんと雪音を思い出す……」

呆れるツェルトに、今のやり取りが何処か懐かしく感じてしまう翔。
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