晩御飯!
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屋に行こ〜?」
そう言われてほんの一瞬、胸が高揚した。けど、
「唯さん、ここで練習しよう?」
目を見てそう伝えると、彼女はきょとんとした顔で僕を見た。
「ええーと...上手に説明できないんだけど...、簡単に入っちゃいけない気がするから。...ごめんね?」
「?...そっか!じゃあここで練習しよ〜!」
よくわかっていないみたいだったけど、それでも彼女は僕のお願いを受け入れてくれた。
1時間程練習をしてから、ふと携帯を見ると20時と表示された。
「わ、もうこんな時間。母さんが心配するし、そろそろ帰るよ」
「ほんとだ!いつの間にこんなに時間経ってたんだろう〜!」
ギターを背負い、鞄を手に玄関に行く。
「じゃあ唯さん、また来週ね」
「奏君〜。"さん"はもういらないよ〜。一緒にご飯も食べたのに、ちょっと寂しいよ?」
「んー...それもそっか。じゃあ"唯"、また来週。憂さん、今日はとても楽しかったです!お邪魔しました!」
「はーい!私も楽しかったです!またいらしてください!」
「バイバイ奏君!」
Side:平沢 憂
「お姉、ちゃん...?」
今日はお母さんもお父さんもいないから、学校が終わってすぐ夕飯の買い出しに行った。
その帰りに松ヶ崎橋を渡っていると、見知った背中が見えた。
声をかけようとしたけど、その隣に男の人がいることに気付いて、戸惑いで少し中途半端な声かけになってしまった。
「平沢さ..."唯さん"と同じクラスで同じ軽音部の細見 奏です。こちらこそ」
やっぱり!お姉ちゃんが私にいつも話してくれる男の子だ。
お姉ちゃんが男の人の話をするなんて初めてのことだったから、ちょっとだけ気になっていて、だから晩御飯に誘ってみた。
彼は迷っているみたいだったけど、お姉ちゃんがちょっと強引に連れてきてくれた。
「憂さん。すっごく美味しかったです。招いてくれてありがとう」
年下の私にも"さん"付けで、動きや言葉の節々に感謝の念が込められているのがわかった。礼儀正しい人だなあと思った。
「唯さん、ここで練習しよう?」
「ええーと...上手に説明できないんだけど...、簡単に入っちゃいけない気がするから。...ごめんね?」
彼が真剣な眼差しでそう言った。お姉ちゃんはどうして?という顔をしていたけど、私にはお姉ちゃんを気遣ってくれていることがわ
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