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けいおん! if
廃部!
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平沢さん。良かったら僕達の演奏聞いてみてくれないかな」



 言葉に出してから何言ってるんだろうと思った。6人で合わせたことなんて1度もない。
 でも、平沢さんが1度もバンドの音を聞いたことがないなら。そう思った。



 「演奏してくれるの!?」



 食い付いてきた...!










「奏、演奏は良いけど何やるんだ?」

「この6人で演奏できるのなんて、「翼をください」と「あめふり」しかないでしょ」

「じゃあ「翼をください」の方がカッコいいかな?」

「律、私皆と合わせたことないぞ」

「スローテンポで叩くから大丈夫だって!」

「頑張りましょう?」

「う、うん!」



 各々、チューニングを始める。










Side:平沢 唯










 折角高校に入ったんだもん。何かしたい。
 そう思って軽音楽部に来たけど...でもよく考えたら私何も楽器できないし、やめようかなって思ってた。
 でも、田井中さんに連れられて入った音楽準備室には彼がいた。
 いつも隣で迷惑そうな顔一つせず文房具を拾ってくれた彼が。



 「細見君ギターなんだ...」



 私、初めてアンプから出る音を聞いたの。この時はまだ「アンプ」っていう言葉も知らなかったけど。

 1、2、3、4と田井中さんと一瀬君がスティックを合わせ、演奏が始まる。










 いま私の願いごとが





 かなうならば翼がほしい





 この背中に鳥のように





 白い翼つけてください





 この大空に翼をひろげ





 飛んで行きたいよ





 悲しみのない自由な空へ





 翼はためかせ





 行きたい









 心が温かくなった。










 思わず立ち上がって拍手した。










 簡単な曲だってわかってたけど、でも、6人で演奏してくれたからかな。上手に聞こえたの。










 ――――――だから。










 「何だかすっごく楽しそうでした!私!この部に入部します!」




 


 


Side:細見 奏










 田井中さんと秋山さんが頬をつねり合う。



 「「「「「「ばんざーい!」」」」」」 



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