廃部!
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「プリント...」
「...ほほい!?失礼致しやした...!」
僕達が不思議なものでも見るような視線を送っていると、嫌われたのだと勘違いでもしたのか、ショックで預かったプリントを盛大にぶちまけ、更にそれを拾う際に机に頭をぶつけていた。
「テンポわる...」
「使えない子...」
「ドジっ子...」
正と僕と浩二君の順に、そんな失礼なことを呟いたのだった。
職員室を出ると黄色いカチューシャを付けた小柄な女の子と、僕と同じくらいの身長の黒髪の女の子が立っていた。
「すみませーん!君達今、山中先生に軽音部のこと聞いてなかった?」
黄色カチューシャの子に聞かれる。
「うん、聞いたけど、今軽音部には誰も部員がいなくて今月中に4人集めないと廃部って言ってたよ」
「ウソ!?私達軽音部に入るつもりだったのに!」
「待てよ。俺達も軽音部に入るつもりだからこれで5人。廃部は免れたんじゃないか?」
「そっか!っていうかいきなり捲し立ててごめんねー。私はドラムの田井中 律(たいなか りつ)!こっちはベースの秋山澪(あきやま みお)!」
僕と正と浩二君も、軽い自己紹介を済ませる。
「俺達はスリーピースでいこうと思ってるから、そっちには混ざれないぜ?」
スリーピースとは3人組のバンドのことだ。
「そっかあ。でも、廃部じゃないだけマシかあ...。」
田井中さんが残念そうに項垂れる。
「で、どうするの?」
秋山さんが田井中さんに聞く。
「入部希望者を待つ!!!」
「「「おぉ」」」
「というわけで、私達は私達でバンドメンバー探してみるよ!また音楽室のローテとか決める時に会おうぜ!」
「おう!」
そう言って2人は音楽室に向かった。
「なんか...田井中さんって正に似てるね」
「ぼ、僕もそう思ってた」
「どこがだよ!」
その日の放課後、日直の正と浩二君を手伝った後、教室で今後の話をした。
正が言うには、学園祭までにオリジナル曲を1つは作りたいそうで、大まかな作曲は正が行い、それを3人でブラッシュアップして、3人で歌詞を考えようというものだった。
僕と浩二君はといえば、いくつかコードを弾けるようになり、正にTAB譜の読み方を教わり、「翼をください」や「あめふり」等、簡単な童謡の練習をしている段階だ。今度、セッションしようという話を正が出してい
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