桜!
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余計な一言に言い返そうと正の顔を見上げたが、屈託無い笑顔に何も言えなかった。
人混みをかき分けて名前を探すと、1年3組の欄に2人の名前があった。
「どうだった?」
「2人とも1年3組だったよ」
「っっ!」
正の歓声に周りの目線が集まった。
教室に入ると、黒板に貼られた座席表を元に自分の席を探す。
出席番号順だから、黒板を北に教室を上から見ると、イ行の正は右上、ホ行の僕は左下辺りだ。
席に近付くと、左隣の席に今朝の女の子が座っていることに気付いた。
一瞬目が合ったが、向こうは今朝すれ違った僕だと気付いていないみたいだ。
着席して机の横にカバンを掛け、机上の座席表を確認する。平沢 唯(ひらさわ ゆい)さんか。
平沢さんは利発そうな赤い眼鏡の女の子とお喋りしていた。
同じ中学校だったりするのかな。それか正みたいにコミュ力おばけか。
ふと、正の方を見ると、後ろの男の子と会話しているようだった。流石だな...。
えーと、正と会話しているあの子は上野 浩二(うえの こうじ)君か。
正を見習いたいところだけど、前も右隣も女の子だ。
...もう静かにしてよう。
AM10:30
SHRから入学式も恙無く終わり、講堂から教室に戻る渡り廊下で正に話しかけられた。
「奏!聞いてくれよ!」
「どうしたの?」
「彼!上野 浩二君!俺の後ろの席なんだけど、ベースやってみたいんだってさ!」
「あ、あの...よ、よろしく...」
前髪が長いからはっきりと表情は伺えない。
身長は僕より少し高いくらいのその子の不安そうな挨拶には、それでも、嫌々という響きは含んでいなかった。
「正が強引にごめんね。僕は細見 奏。僕もギター初心者だから一緒に頑張ってみよう?」
「う、うん、よろしく奏君」
3人で教室に戻る。この後はSHRが終わったらお昼前に解散。
明日はオリエンテーションか。
「奏!SHRまで時間あるし自己紹介しようぜ!」
正と浩二君が僕の席まで来た。
【 細見 奏 (ほそみ そう) 】
パート:ギター初心者
誕生日:11月27日
血液型:A型
身長:165cm
体重:52kg
【 上野 浩二 (うえの こうじ) 】
パート:ベース初心者
誕生日:2月6日
血液型:A型
身長:170cm
体重:63kg
【 一瀬 正 (い
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