第五十二話 墜落現場へ向かうために
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降りかかることなど露知らずに。
そして一方、極寒エリアでテティスと別れたアトラスは傷ついた体をモデルFの回復機能で癒していた。
アトラスの表情は傷付いているにも関わらずに冷静であった。
約二年間もの特訓で得た力が通用しなかったことにはショックを受けたものの、再び叩きのめされたことで逆に冷静になれたのだ。
「やはりモデルF単体では奴には及ばんか」
アトラスの言葉は間違っていない。
モデルFの力を馬鹿にするわけではないが、破壊神と呼ばれる力は伊達ではなく、モデルF単体の力ではやはり遠く及ばない。
アトラスは知らないが、以前の所有者であったエールも全てのライブメタルの力と人々のエネルギーを使ったオーバードライブを発動したことでようやく勝てたのだ。
モデルFと心を通わせていないアトラスではエールのようにはなれないであろうし、そもそもあれは他のライブメタルと比べて高い拡張性を誇るモデルXの適合者であるエールだからこそ出来た芸当だ。
ライブメタルを道具として扱うアトラス達には不可能であり、アトラスは何とかモデルFの力を高める方法を模索するのであった。
一方のテティスはアトラスと別れた後に何とか極寒のエリアを抜け出し、何もない遺跡付近にまで来ていた。
「あ…これヤバいかも…」
意識が朦朧として倒れかけた時、自分を誰かが支えてくれた。
「完全なる誤算…ここにお前がいるとは…何があったと言うのだ?テティス」
「ヘリオス……」
ヘリオスからしてみれば本当に偶然だった。
シャルナクと別れて新たなモデルVを探していたのだが、てっきり海のあるエリアにいると思っていたテティスがこのような何もない遺跡にいたのは本当に意外だったようだ。
「はは…モデルOのロックマンを見つけてアトラスとリベンジしようと思ったんだけど…まだまだ敵わなかったようでさ…返り討ちにされちゃったんだ」
「…完全なる理解…そうか、お前も私と同様成長したようだが、奴には敵わなかったか…無事で何よりだ」
ヘリオスの表情はアッシュ達に向けていたものとは違い、穏やかでテティスの身を案じる物であった。
思想が正反対のアトラスや感情のブレがある者を見下す傾向があるヘリオスだが、テティスに対しては穏やかな表情と口調を見せる。
テティスは他のロックマンよりも感情のブレが少なく、そして彼の抱く理想にヘリオス自身も感じる物があったからだ。
母なる海を救いたいと言う理想。
初めて敵として相対した時に語ったテティスの純粋な願い、そして海を汚そうとする愚者を葬るためならば手を汚すことも辞さない覚悟にヘリオスは珍しく他者を認めた。
「ありがとう、でも僕は諦めるつもりは全然ないけどね。彼を倒して僕は王となり
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