第五十二話 墜落現場へ向かうために
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パークとクロノフォスも賞金首のイレギュラーだったようで、トランスサーバーから賞金が送られてきた。
「うーん、まあまあね…よし、買い物は明日にして今日は休みましょうか…さあて、何を食べようかしら?」
「アッシュ…あれ何?」
「あれ?」
グレイが指差した先には熱々の湯気を発している中華まんであった。
「ああ、あれは中華まんよ」
「中華まん?」
アッシュの答えに疑問符を浮かべるグレイにアッシュは簡単に説明する。
「熱々のふわふわの生地の中に肉やら甘い餡子が入った食べ物よ。因みにあれは肉まんと餡まんね……食べたい?」
「え?あ、いや…そういうわけじゃ…」
「良いの良いの、食べたいって顔に出てるわよ?食材買って作るのも良いけど、たまにはこういう簡単なご飯も良いってね。アタシは肉まんにー餡まんにーピザまんー…あ、カレーまんもある。全種類買おっと!!」
「アッシュー太るぞー?へぶうっ!?」
アッシュの鉄拳が炸裂し、何らかのスクラップ(恐らくメカニロイド)にめり込んだモデルA。
グレイはドン引き、周囲もドン引きである。
そしてアッシュは紙袋を受け取ってグレイに全種類の中華まんを渡すと早速カレーまんにかぶりついた。
「んー、久しぶりに食べるけど美味しいわ。グレイも食べなさいよ」
「う、うん…」
スクラップにめり込んだモデルAの心配をしつつも肉まんにかぶりつくと目を見開いた。
「…美味しい!」
「でしょー?」
二人は中華まんを全て平らげると満足そうにお腹を擦った。
「御馳走様」
「やっぱり中華まんは美味しいわ。アタシはピザまんが好きだけどグレイは?」
「僕は肉まんかな?」
「男って肉まん好きよねー」
他愛もない話をしながらグレイはふと、あることを思い出した。
「肉まんも美味しいけど、僕はアッシュが作ってくれたスープが一番好きかな?」
「へ?あんな簡単なスープが?」
それはタワーを抜けて極寒のエリアに向かう前の野宿で作ったスープ。
それは安く買った野菜を使ったコンソメスープで、野菜くずで出汁を取ったそれこそ誰にでも作れるような簡単なスープ。
「うん、アッシュからすれば簡単なのかもしれないけど、僕は誰かが作った物を初めて食べたんだ。だから、あれが一番印象に残ってるんだ。また食べたいな」
「……あんなので良かったらいくらでも作ってあげるわよ。さあて、買い物して準備を終えたらぐっすり寝て明日は墜落現場に向かうわよ!だからあんたもゆっくり休んどきなさいよ」
「うん」
そして買い出しを終えた二人はハンターキャンプの部屋を借りて眠りにつくのであった。
墜落現場で違法ハンター達に大きな災難が
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