怪盗たちに、アローラ
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ュービが開発して、サフィールがチャンピオンまで上り詰めたゲームで一回勝負して。自分が勝ったらこれから家族として認めてもらうと持ちかけたらしい。
「それはすごいね。カードゲーム自体は昔からあったとはいえ、リゾートでのポケモンカードを開発したのはキュービだろう? 彼はゲームの創造者に打ち勝ったわけだ。その様子が中継されたらすごく盛り上がっただろうに」
「もう、そういうところだからねクルルク。『親子』の久しぶりの再会を、外野がのぞき見るのはプライバシーの侵害よ」
驚きだったのは。キュービとサフィールは姉弟ではなく母親と子供の関係だったということだ。
わたしが見た過去の映像をサフィールも見て、彼は確信したらしい。ずっとキュービを姉さんと呼ぶのは違和感があったそうだ。確信に至った理由はわからない。聞いても教えてくれなかったし。
「じゃあ、本当にやりきったんだね。君は犯行を成し遂げ、自分を騙したリゾートの支配者さえ救ったわけだ」
「キュービにとっては、迷惑だったかもしれないけど。そう信じてる」
「間違いないよ。あとは……おっと」
わたしのスマホが鳴る。画面を見ると、サフィールからの電話だった。クルルクが頷いてくれたので、通話を押す。
画面の向こうでは、なんだか落ち着かない様子のサフィールと、オッドアイの小さな女の子──ラティアスがいる。
「ラディ! アローラにはもう着いた!? 少し話をしてもいい!?」
「家にいるから、落ち着いて? 何かあったの?」
サフィールの、深呼吸する息づかいが聞こえる。しばらくすると、少し震えた声で話し始めた。
「母さん、いやキュービックがオレを──カードゲームのチャンピオンとしての実力を見込んでリゾートの運営に関わらせてくれることになったんだ!」
「本当!? よかった、じゃあこれからは……一緒に居られるのね」
「うん、チュニンはオレのこと嫌ってるけどルビア姐さんが間に入ってくれるし、キュービの決定なら仕方ないって納得してくれたんだ」
ルビアは、やることはどうあれサフィールの味方でありたいみたいだった。チュニンのサフィールに対する強烈な嫌悪は不安だったけど、悪いようにはならないと思う。
「それにね、これは君のおかげなんだ」
「どういうこと?」
「君がオレに捕まったフリをして潜入して、オレがキュービにカードゲームを挑んで足止めしたことはホウエンにも伝わってる。だから、オレをリゾートの一員に組み込むことで、最初からそういうシナリオだった……そういうことにしたいのもあるみたいなんだ」
そっか。どんな事情があろうとも、リゾートの支配人が自分の家族を冷遇していたなんて公にはしたくない。
だったらサフィールをリゾート側に取り込んで、わたしの犯行も含めてそうい
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