第1部
アッサラーム〜イシス
砂漠での冒険
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たムカデが再び私たちに襲いかかる。まずい、これじゃ二人とも避けきれない!
「ラリホー!!」
他の魔物を全て倒したユウリが、もう一度ラリホーをかけてくれた。
すると、急にムカデの動作が遅くなり、ゆっくりとその場に倒れ込んだ。もしかして……!
「ムカデは眠らせた! 今だ!」
どうやら二回目のラリホーは成功したようだ。ユウリが声を張り上げたのを皮切りに、私たち三人は一斉に攻撃を叩き込んだ。やはりレベル30を越えたユウリの一撃は効いているのか、数発でムカデの息の根を止めることができた。
「あ、危なかった……!」
「くっそ〜〜!! なんであいつ全然攻撃効かねえんだよ!」
たった一匹の大きなムカデなのに、ユウリがいないと倒せないなんて。私とナギはその場にへたりこんだ。
「……やっぱり魔法使いか僧侶が必要だな」
ぽつりとユウリが剣を鞘に納めながら呟く。そういえば今回、ユウリはラリホーの呪文しか使ってなかった。どうしてだろう?
「ねえユウリ。なんで今回あんまり呪文を使わなかったの?」
私の問いに、ユウリは面倒くさそうな表情を見せながらも説明をはじめた。
「あいつは火を使うから、俺が扱う火炎系の呪文は効かない。氷系や真空系の呪文なら効くんだろうが、俺は使えないからな。ラリホーなら多少は効くかと思ったが、耐性があるからか効きが悪かった」
そっか。呪文にもいろいろ種類があって、魔物によってはその呪文が効かないこともあるんだ。四人の中で呪文を使えるのはユウリしかいないから、使える呪文がなかったら結局物理攻撃するしかない。でも火炎ムカデみたいな防御力もそこそこある相手だと、物理攻撃のみで戦うのも難しくなる。
「せめてもう一人呪文の使い手がいればいいけどな」
ふう、と小さくため息をつくユウリ。確かに回復するのも薬草を使うか、ユウリの呪文しかない。けれどそれにも限りがあるし、この先もっと強い敵が出るほど、ユウリへの負担は大きくなる。
他にそういう呪文が使える人が現れたらいいのに。でも、魔王を倒す旅に一緒についていけそうな人なんて、そう簡単に現れるだろうか。
アルヴィスさんならもしかしたらって思ったけど、前職は戦士って言ってたっけ。でも呪文がなくても強そうな気がする。
そういえばどこかの山奥に、今の職業を変えられる神殿があるって師匠から聞いた気がする。そこにいけば、私も呪文が使えるようになるのかな?
でもとりあえず今は砂漠を越えることが第一だ。私は服についた砂をはたき落としてその場から立ち上がると、先に行っていたルカの姿を確認した。彼は今にも泣き出しそうな顔でこちらに歩いてきた。
「ごめんなさい。音を立てたら魔物に気
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