55 伝わった想い
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ないのに、長山君知ってたもん!そんなの変じゃん!!」
「だって、本当に言ってないもん!信じて!」
「信じたいのに信じられないよ。だってかよちゃんにしか言ってないんだから。私だってかよちゃんの好きな人誰にも言ってないのにさ」
その時、遠くから山田笑太が入り込んでくる。
「え?山田かよ子のすきなひと?だれだい?おしえて、おしえて!!」
山田を無視してまる子は言葉を続ける。
「兎に角、もう信じられないよ」
まる子はそう言って去った。
(そんな、私、誰にも言ってないよ・・・。誤解だよ・・・!)
かよ子はおっちょこちょい同士の友達を失う事に心が落ち着かなくなった。それどころかまる子に自分が杉山が好きだという事を言いふらされそうなのが不安だった。
(杉山君、どうすればいいのかな・・・?)
かよ子はふと好きな男子の事を考える。だが、そんな事で杉山が助けてくれるとは思えない。
「おい、山田。おまえがすきなひとってだれだい?オイラとおなじみょうじのよしみでおしえてよお〜」
しかし、同じ苗字の山田かよ子に無視される山田だった。
家にいると、母が部屋に入ってきた。
「どうしたの、電気もつけないで。はい、新しいノート買ってきてあげたわよ」
「どうもありがとう」
「元気ないんじゃない?」
「別に、平気だよ」
「そ、ならいいけど。かよ子、ちゃんとノートに名前書きなさいよ。後でおやつ用意してあげるから」
「はあい」
母は部屋を出た。
(はあ、憂鬱だなあ、まるちゃん誤解してるよ。どうすれば解ってくれるかな・・・」
その時、かよ子はノートに「山田が」と書いてしまった。
「あ、間違えちゃった。これじゃ、『山田がよ子』だよ。どうして私ってこんなにおっちょこちょいなんだろう・・・」
翌日、まる子は誤解に気付いた。まる子と長山は二年生の頃も同じクラスで長山はその二年生の時の文集でまる子が漫画家になりたいと書いていたから知っていたのだという。
だが、ここでとんでもないことが起きてしまった。山田に名前を書き損じたノートを見られてしまい、自分は山田が好きと周囲から勘違いされる羽目になってしまった。
その時だった。
「何言ってんのさ!かよちゃんが好きなのはね、山田じゃなくて杉山君だよお!!!」
冷静さを失ったまる子によって自分が杉山だと公開されてしまった。誤解された上に思い切り周りに秘密を明かされてしまった。
(これが杉山君に聞こえたら終わりだよ・・・)
だが、その後日、杉山から呼ばれた。
「山田」
「す、杉山君!?」
「お前、俺が好きなのか」
「う、うん、嘘じゃないんだ。で、でも・・・」
かよ子は赤面した。
「もし、迷惑だったら、やめるよ、ごめんね・・・!!」
「いいよ、気にすんなよ。だが
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