第82話『キャンプ』
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海の家で昼食を終えた生徒たちは、再び海へと繰り出していた。太陽が輝きを増し始め、気温がドンドンと上昇していく。やはり夏はこうでなくてはいけない。
「そらっ!」
「きゃっ! 冷たいよハルト!」
足元にひんやりとした波を感じながら、晴登と結月は水でじゃれ合っていた。火照った身体が冷えて、とても心地いい。
「このっ!」
「はは、冷た・・・待って、冷たっ!? これ氷水ぐらい冷たいんだけど?! 」
「ふふん、さっきのお返し」
そう言って、結月はいじらしく微笑んだ。
さっきのお返しとは、ケイドロで晴登が魔術を使ったことに対してもだろう。これでおあいこだ。寒い。
「なら俺だって──」
「ねぇ晴登見て見て、砂のプリン!」
「ん? どうした莉奈・・・って、それバケツひっくり返しただけじゃないのか?」
「ち、違うよ!」
砂浜の方から呼ばれて振り返ると、莉奈が砂でバケツを・・・もとい、プリンを造り上げていた。ご丁寧に上から水をかけてキャラメルっぽくしているおかげで、辛うじてそう見える。
「まだまだ改良の余地ありだな。お、柊君も何か造ってるの?」
「うん、トンネル掘ってるの」
「なるほど」
莉奈の隣で狐太郎は大きな砂の山を築き、そこにトンネルを開通させようとしていた。
…何だろう、今の彼はすごく幼い。見ていてほんわかする。
「…あれ、大地と戸部さんは?」
「あ、さっき2人揃ってどこかに行ってたよ」
「2人で? どうしたんだろう」
莉奈の答えに晴登は首を傾げる。
すると彼女は意味ありげにフッと鼻を鳴らすと、
「さぁねぇ・・・もしかしたらそういう関係なのかもね」
「え、どういう関係?」
「はぁ…これだから晴登は」
「なんだよ〜」
莉奈がため息をつく。なんだ、一体どういう意味なんだ。全然わからない。
でももうグループを解散させてしまったから、2人でどこに行こうと自由なのだ。いつの間に仲良くなったのかは知らないが、気にすることでもないと思う。
「ねぇねぇハルト、次は何して遊ぶ?」
「いや、俺はそろそろ休むかな」
「え、まだ午後は始まったばっかりだよ?」
「そうは言っても、これ以上は今後の予定に響きそうなんだよ。もう疲れちゃった」
海でやりたいことがたくさんありすぎて時間が足りないと思っていたが、どうやら体力も足りなかったらしい。走ったり泳いだり、もうヘトヘトだ。午前中で体力をあらかた使い切ってしまった。
「むぅ、それならしょうがない。ならあっちのパラソルの下で休もうよ」
「賛成」
晴登と結月は休憩のために、空いてるパラソルの
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