第82話『キャンプ』
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ないな。
「さて、いじるのはこれくらいにして。先生から、この後自分の班に分かれて夕食を作れだとよ」
「そっか、自分たちで作らなきゃいけないんだったな」
キャンプと言えば、やはり自分たちで食事を作るのが醍醐味だ。美味しい不味いも全て、みんなのさじ加減である。まぁ晴登は料理ができる方なので、苦労することはあまりないのだが。
「って、もう浜辺にほとんど人がいないじゃん! 早く行かないと!」
「そうだぞ、急げ〜!」
3人はすぐさま、キャンプの舞台である山へと駆けて行った。
*
「へぇ〜こんな風になってるのか」
「結構自然に囲まれてるな」
「なんかワクワクするね」
山の中で大地や結月と別れて、晴登は自分の班のテントの元へとやって来た。辺りを見回すと、木が乱立する中の所々に生徒のキャンプ用のテントが張ってあるのが見える。
ちなみに今晴登の隣にいるのは、同じ班である伸太郎と狐太郎だ。やはり知り合いがいるのは心強い。
「さて、荷物を置いて・・・調理場はどこだっけ?」
「ここからさらに登った所みたい」
「ったく、めんどくせぇ…」
山を登ることに不満を募らせる伸太郎。確かに彼の気持ちもよくわかる。だが、せっかくならもう少し自然を楽しんでもいいのではないか。
「辛抱だよ、暁君」
「はいはいわかってるよ」
不機嫌な彼を宥め、3人は山を登って行った。
山をある程度登ると、目の前に開放的な建物が現れた。どうやらここが調理場のようだ。水道やかまどなど、キャンプに必要な器具が揃っている。木の机には既に食材が置かれていた。
「カレールー・・・ってことはカレーか」
「ありきたりだな」
「でも僕はカレー好きだよ」
食材を眺めながら3人が話していると、遠くから先生の呼ぶ声が聞こえた。どうやら一度集まって、点呼を行うらしい。これは急いで行かなければ。
「お、いたいた学級委員。どこ行ってたんだ?」
「ご、ごめん。ちょっと寝てて…」
「寝てた? 呑気だねぇ。ほら、3人来たならウチの班は揃ったから、点呼して先生に報告しなよ」
「あ、うん」
同じ班員の男子にそう言われ、晴登はその通りに動いた。
そう、これこそが急いで行かなければならなかった理由、すなわち、晴登が班長なのである。恐らく、学級委員だからなのだろうが…。
「あんまりこういう役回り好きじゃないんだよなぁ…」
学級委員だって成り行きでなってしまった訳だし、決して晴登が望んだ訳ではない。むしろ望んでない。こういう仕事には、絶対適任な人がいるはずなのだ。そういう人にやらせればいい。
しかし、と
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