第35節「わたし達に出来ることで」
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RN式とMark-Xはどうやら、ドクター櫻井に預けられているらしい。当然の処置だな。
「翔くんから聞いたところ、ジョセフくんはマリアさんを守る為に戦ってきたんだよね?」
「ああ……だからこそ、俺はこんなところで寝ている暇はないんだ」
「うん、やっぱり似てるよ。翔くんは響ちゃんや翼ちゃん、大好きな人達を守る為に戦っているの」
「そうなのか……?」
そう言えば、あいつがどうして戦っているのか……その信念まではまだ知らないな……。
その職員は頷き、静かに語りだした。
「翔くんはね、お姉さん……翼さんや風鳴司令、それからお父さん、家族みんなが大好きなの。この国に住まう人々を護るために戦う……そういう家系に生まれて、そんな家族に憧れて、そして自分もそうなりたくて、二課への編入を志願していたの」
「そうだったのか……」
家族、か……。
俺もマリア達もみんな、血のつながった家族は何らかの形で喪ってしまったが、F.I.S.の皆は家族みたいなもんだからな……。
マムは厳しいけど……でも、本当は優しい人だって知っている。
なんだ……あいつが守りたいものってのは、俺と同じものじゃないか……。
「それじゃジョセフくん、私についてきて。あなたが起きたら発令所に連れて来るようにって言われてるの」
「分かった、案内よろしく頼む。……えっと……」
しまった、そう言えばまだ名前を聞いていなかった。
すると彼女は俺の意図を察したようで、屈託のない笑顔で名乗ってくれた。
「私は二課娯楽施設管理担当、姫須晶。よろしく、ジョセフくん」
ff
『挨拶模様のガトリング ゴミ箱行きへのデスパーリィー──』
イチイバルの圧倒的な火力による広範囲殲滅射撃。
それを抱え、戦場を駆け抜けるアキレウスの超スピード。
純がクリスをおぶって戦場を疾走し、尚且つクリスがスカートパーツを純の動きに干渉しない位置へとスライドさせることで、二人の装者は、二人で一人の移動砲台となっていた。
足アーマー側部から展開されたホイールで加速する純を、阻める者はいない。
その速さはノイズに先制の権利も、反撃の隙も認めず、クリスはただひたすら引き金を引く事に集中できる。
形容するならば、自動砲撃型バックパックを装備した地上戦用人型強襲機。
迫るノイズはどんどん殲滅されていく。
「さすが、クリスちゃんと純くん……ッ!」
「こちらの戦力は、装者が2人……。対するあちらには、装者が2人にソロモンの杖、更には翼さんとも戦闘になる可能性がありますからね……」
「姉さん、手加減とかしてくれないだろうからな……」
だが、不安はある。
これだけ連携の取れた二人でも、戦力はあちらの方が上なのだ。
更
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