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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-D遭遇〜Huckebein 3〜
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を軽々持ち上げるライカンとカイロン。カレンは「じゃあドゥビル。2人をお願い」と言うと、2人は再び十字架を地面に下ろした。

「ドゥビルはサイファーとヴェイロンを連れて一足先にフッケバインに帰艦ね。特務の連中は私たちでしっかり抑えておくから」

「待て。ならば俺も共に・・・!」

「私たちの体はあくまで死に難いだけで不死身じゃないの。それを、再生できると言ってもあれだけ連続で致命傷を負ってるのに、さらに攻撃を受け続けたらどんな弊害が出るか判らないわ」

自分たちだけ先に逃げろ、と言われたドゥビルはそう言うが、カレンは“ディバイダー”の背表紙で彼の胸をトンっと優しく打ってそう注意した。茨の壁の向こうから聞こえてくるグランダムとロンシャンがイリス達と交戦を開始した音に聞き耳を立てながらカレンは「だから今は引いて」と有無を言わさぬ声色で告げた。

「・・・判った。あとは任せよう」

それでドゥビルは頷き、リアクトを解いた。“ディバイダー”の片手斧の柄を腰のベルトに挟み込み、右手でサイファーの十字架を、左手でヴェイロンの十字架を持ち上げて肩に担いだ。その直後、茨の壁が一気に燃え上がって崩落し始めた。

「退散の相談か? ダメだぞ、フッケバイン一家。お前たちは逃がさない」

ルシリオンの冷たい声と共にカレン達の目の前に放り投げられてきたのは、「アル、グラン、ロンシャン!」の3人だった。アルナージ、グランダムはすべての腕と両をもぎ取られ、再生できないように傷口が凍結されている。ロンシャンも人間の姿に戻っており、グランダムやアルナージと同じように四肢を斬り落とされ、傷口も凍結済み。

「本物のドラゴンならいざ知らず、エクリプスウィルスの影響で変化できるだけの紛いものに負けるはずがないだろう?」

「一応ガチなドラゴンと戦ったことがあるからさ、わたしとうちの副隊長。だからデカいだけのドラゴン程度なら勝てるわけ」

「特騎隊を少しばかり侮りましたね」

全くの無傷なイリス達の姿にカレンは「十二猟師!」と、“ディバイダー”を開いた。開かれたページより光の玉が12個と飛び出し、イリス達を包囲するかのような位置で停止。そして光はカレンと同じ姿へと変化した。

「「ドゥビル、行け!!」」

ドゥビルが駆け出すのを見送ることもせずにライカンとカイロンは“ディバイダーの銃口をイリス達に向け、即座に発砲。しかしその銃弾はルシルが自分たちの周囲に14枚と横列に並べて展開したシールド、「ラケーテン・パンツァーシルト」によって防がれた。同時にカレンの分身体がシールドの隙間から突っ込もうとしたが、シールドがスッと位置を調整して砲弾みたく射出された。

「むお!?」

直撃を受けたカレンの全分身体とカイロンは後方に十数mと弾き飛ばされたが
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