暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-D遭遇〜Huckebein 3〜
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るように伸びてきた。イリスは「逃げられる! ルシル!」と指示を出して、再開されたアルナージの銃撃を「鬱陶しい!」と、風圧の壁を叩き付ける「風牙烈風刃!」を放ち、跳ね返し始めた。

「ミヤビ、援軍に注意だ!」

「了解です!」

ミヤビはこちらに向かってくる援軍にのみ意識を向け、そしてルシリオンは茨を排除するために魔術を発動させる。

――邪神の狂炎(コード・ロキ)――

四肢に2〜3mの炎の腕と脚を装着したルシリオンは、轟々と燃える炎の手で茨を鷲掴んでドロドロに溶かし始める。その様子に茨の頂上に立つカレンは小さく「うっわ。マジ? 結構な魔力遮断能力なのに」と漏らした。しかしその姿をルシリオン達は認識できていないため、カレンの独り言も聞こえなかった。

(攻撃や防御、結界系は通用しないようだけど、今使ってる千匹皮の効果は見破れてないみたいね)

千匹皮というカレンの扱う技は、書物型の“ディバイダー”から切り離した複数枚のページで体を覆って、他者の認識力を阻害するというもの。全身にページを張り付けなければならないため、激しい動きが出来ないのが欠点。

(まっ、勝てなくても負けなければいいんだし。もうちょっとお姉さんに付き合ってね、特務のお嬢さん達♪)

閉じられていた“ディバイダー”を開くと、カレンを覆っていたページが全て剥がれて、“ディバイダー”の中へと戻っていった。が、すぐに再びバサバサとページが数十枚と飛び出し、イリス達に殺到していく。

「へ?」

「いつの間に・・・!?」

「小賢しい真似を! シャル、ミヤビ、俺の側へ!」

イリスとミヤビがルシリオンの元に集い、それを確認した彼は炎の両腕を地面に付いた。すると彼らを中心に炎の渦が地面を這い、ルシリオンが「コード・プシエル!」と術式名を唱えた。

――無慈悲たれ汝の聖火(コード・プシエル)――

炎の渦の至る所から炎の龍が何十頭と出現し、カレンがばら撒いたページを喰らっていく。すべてのページが食われる前にカレンが「灰被り!」と告げると、舞っていたページが一斉に爆破された。だがルシリオンの炎龍によってその数が少なくなり、その威力は3割にも満たない。

「(追加の目くらましは成功ね)もう1回、茨姫!」

黒煙で視界不良になるとカレンは新たに茨を召喚し、黒煙とイリス達、ヴェイロン達を隔てる壁とした。カレンはルシリオンによって溶かされ崩れゆく茨から飛び降り、磔にされているヴェイロンとサイファーの救出を行っているライカンとカイロンに「どう? どうにかなりそう?」と尋ねる。

「分断の効果が発揮できないから、解放は難しそうだ。腹や手足に刺さっている槍も抜けない」

「でも持ち運びは・・・よっと。出来る」

人ひとりが磔にされた十字架
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