第百五十八話 西国の政その三
[8]前話 [2]次話
そのドーナツを食べつつ言った、そうしてそのうえで自分達のことを話した。それは彼の言う通りまずは政のことからだった。
英雄は九州も琉球も自分達の勢力圏に収めた、こうして浮島の西を全て自分達のものとした。だが。
彼は大坂に戻ってからすぐに仲間達に言った。
「これで俺達はこの浮島で最大の勢力になったが」
「それだけだね」
桜子が最初に応えた。
「正直なところ」
「その通りだな」
「実際はこれからだよ」
英雄に砕けた口調で話す。
「本当にね」
「まさにそうだな」
「もうね」
それこそというのだ。
「これからどうするか」
「それが問題だな」
「領土をどう治めるか」
このことがというのだ。
「本当に問題よ」
「その通りだな」
「結構内政が行き届いていない地域も多いよ」
勢力圏に収めた中にはというのだ。
「開墾も治水もね」
「街造りもな」
「そういったことがね」
「近畿はいいにしても」
こう言ったのは良太だった。
「九州の南になりますと」
「まだまだだな」
「山陰にもそうした地域があります」
こちらにもというのだ。
「ですから」
「ここはだな」
「はい、魔物も多いですし」
「魔物も退治してな」
「そのうえで、です」
「腰を据えて治めるべきだな」
「そうかと」
こう英雄に答えた。
「やはり」
「その通りだな」
「ですからまずは東の守りを固め」
そうしてというのだ。
「そしてです」
「そのうえでだな」
「政を進めましょう、どうもです」
良太はさらに言った。
「我々はです」
「これまでだな」
「戦に次ぐ戦で」
「勢力を急激に拡大させた」
「それならばです」
「次はだな」
「その拡大した勢力をです」
まさにそれをというのだ。
「治める時です」
「その時になったな」
「はい、領土をしかと治め」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「国力を確かなものにさせてだな」
「攻めていきましょう」
「東をだな」
「そうしていきましょう」
こう言うのだった。
「この度は」
「それではな」
英雄は良太の言葉に頷きそうしてだった。
今は浮島西部全体の内政にあたった、英雄はまずは幕府を開くことにした。その拠点は大坂と正式に定めた。
自分を征夷大将軍としてこう言った。
「御所からも認めて頂いたが」
「その御所ですが」
謙二が言ってきた。
「公卿の方々はおられても」
「俺達が起きた世界と違うな」
「帝はおられません」
「歴代の帝が神々となられて祀られているな」
「はい、それもです」
謙二は英雄にどうかという顔で話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除