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俺の妹がこんなに可愛いわけがない〜とある兄と弟の日常〜
第二話『俺の弟と妹がアキバに来るわけがない! 前編』
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「とらのあな……ゲーマーズ本店……ラジオ会館……これが、ヲタクの聖地秋葉原!」

「(なんか、やたらとテンション高いな桐乃の奴)おい、物珍しいのは解るけど見るのはオフ会終わった後にしとけよ」

「わ、わかってるって。てか、あんまり近くに寄んないでよね。彼氏だと思われたくないし」

「(俺だって思われたくねぇ〜よ…)」


 桐乃の言葉に小声で文句を言った京介。当の桐乃は未だに目をキラキラさせて辺りをキョロキョロと見渡していた。


「……たく。それじゃあ、最後に確認しとくぞ、俺は先にオフ会のある店に行ってるから困ったことがあったら何でも良いから合図をしろ。そしたら助けてやっから」

「うん、わかった。てか、どうしてあんたは雄兄みたいに女顔に生まれなかったのよ」

「あのな、誰もがアニキみたいに女装が似合うと思うなよ、お前!」

「あんた、自分で言ってて悲しくなんない?」

「うるせえよ!お前から振ってきたんだろうが!」


 ギャーギャーと口論をする京介と桐乃。端から見ると痴話げんかをする恋人にしか見えないな。


「あーもう、俺は行くからな」

「あ……」


 去っていく京介の背中を少し心細く見つめる桐乃。
一緒にいて欲しいと素直に言えない桐乃……ツンデレ乙!









 side高坂雄夜









「お前の考えって……これかよぉぉぉーーー!!」


 雄夜の心からの叫びが店内に響く。ここは、コスプレ衣装の貸し出し販売をしているクリス御用達の店『コスプレshop メイビー』である。


「おお〜さすがユーヤ似合ってる〜♪夜空さんもそう思いますよね?」

「うん、確かに男の子じゃなくて男の娘だね」


 この黒のショートヘアーの少しツリ目の女性はこの店の店長の『夜空』さん。
夜空とはコスプレイヤーネームで本名ではない。

サバサバした性格で姉御肌。クリスとは6年ほどの付き合いになる。
制服フェチで店では様々なアニメ、ゲームの制服を日替わりで着ている。


「いやいやいや、そんな笑顔で親指をサムズアップされながら褒められても嬉しく無いですから!」


「何を言う。女装が似合う男の娘ほど可愛いものは無いぞ。それに一言女装と言ってもだな……」










 …………
 ………………
 ……………………
 …………………………









「―――と言う訳なの、わかった?」


 長々と女装についての持論を述べた夜空の横でクリスはうんうんと頷きながら聞き惚れていた。


「さっすが、夜空さん。勉強になりました!」
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