第六十二話 未知との接触
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すか?」
「そうだ! もうすぐだ、援軍はもうすぐ来る!」
デヴィットは民兵達を激励しながら、『アース・ウォール』の重ね掛けすると、正面に何枚もの壁が出来た。だが、多勢に無勢。獣の軍団は『アース・ウォール』の壁に到達しつつあった。
重傷を負ったアニエスは、地面に寝かされ救護班の治療を受けていた。幸いと言うべきか、薬の効果と疲労で眠っていた。
「眠っていて良かったよ。この傷を見たらきっと耐えられないよ。女の子なら尚更だからね」
「ああ、まだ若いのに……この傷は一生残るぞ」
救護班は同情的な眼差しでアニエスの傷を治療した。
アニエスの傷は、左の頬の顎から鼻までかけて鋭い爪で深く切り裂かれてた出来た傷だった。
「はあ……目覚めたら何て説明しよう」
救護班は、ため息をついて治療を続けた。
……
ドカン!
と轟音が鳴り響き、棍棒を持ったオーク鬼が最初の壁を破壊した。
破壊された壁の隙間から、コヨーテが侵入してきた。
「撃てっ!」
パパパパン!
銃声が響き、コヨーテが倒れる。
「よしっ、良いぞ。絶え間なく弾幕を貼り続けるんだ!」
再び一斉射。
しかし、倒しても倒しても、仲間の死体を踏み台にして獣の軍団は迫ってくる。
壁一枚を残し、全ての壁を突破された捜索隊に未だ救援は来ない。
事ここに至り、デヴィット決断した。
「どうも援軍は望めそうに無い。ヒューゴ、民兵と他の負傷者を集めたら大森林の外までへ退避してくれ、殿は俺とジャックがやる」
「ええ!? ……し、しかし」
「悪いが議論をしている時間は無い。早くしろ!」
「りょ、了解!」
ヒューゴは、撤退準備をするべく後方へと去った。
「事後承諾になるが、ジャックも良いな?」
「もちろんです」
「……ありがとう」
デヴィットはニヤリと笑いジャックは表情を変えず口元だけ歪める、戦友同士が発する独特の場の雰囲気が辺りを包んだ。
「ゴーレムよ!」
デヴィットが『クリエイト・ゴーレム』を唱えると、剣と盾を持ったゴーレムが八体現れた。
「さあ来い!」
「……!」
覚悟完了の二人に、撤退の準備に向かったはずのヒューゴが戻ってきた。
「隊長! デヴィット隊長〜!」
「どうしたヒューゴ? 早く撤退準備をしないか!」
「て、撤退どころじゃないですよ。実はですね……」
だがヒューゴの声は、敵軍のど真ん中に落ちた爆発の音によって消されてしまった
「ひゃぁ〜〜!」
「どうした!?」
耳を劈く爆音に、デヴィットは耳を押さえた。
次々と降り注ぐ死の爆発は1分ほど続き、爆
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