第六十二話 未知との接触
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いてください」
「……」
「……如何でしょう?」
「分かったよ。僕はウルグと共にフォート・ノワールで待機している。その代わり『彼ら』を連れて行ってくれ」
マクシミリアンが杖を振るうと、32基のウォーター・ビットが現れた。
「このウォーター・ビットには新たな能力が加わり、ウォーター・ビット間で通信が出来るようにした」
マクシミリアンは、紙を一枚取り出しウォーター・ビットの下に置いた。
すると、ウォーター・ビットから、黒い色をしたインクの様なものが噴射され、真っ白な紙に文字が書き込まれた。
「凄い!」
見ていたスタッフ達から驚きの声が上がった。
「紙はなるべく多く持っていってくれ。」
「御意」
「後は文字のやり取りだけでなく、GPS……あ〜……自分の位置を知らせる機能も付いているから、大森林の中で迷う事は無いだろう」
正確には『GPSの様な魔法』だが……とマクシミリアンは心の中で突っ込んだ。
次にウォーター・ビットが震えると、別の紙にインクジェットを噴射しフォート・ノワール周辺の簡単な地図が書きこまれた。しかもカラーでだ。
「殿下にここまでして頂くとは……必ずや、地質調査隊を救出してご覧にいれます」
と、コマンド隊のデヴィットが深々と頭を下げた。
「良い報告が聞けるよう、各員の努力に期待する」
『御意!』
デヴィット以下コマンド隊の面々と、捜索隊の士気は高い。
☆ ☆ ☆
ホォート・ノワールを出発した捜索隊は3時間ほどで大森林外延部に到着し、早速大森林の廃部へに入った。
大森林に入った捜索隊は、五つの班に別れ、それぞれ護衛用と偵察用と通信用のウォーター・ボールが周りに展開し、シュヴルーズら地質調査隊を捜索を開始した。
大森林の中は100メイル超の背の高い針葉樹が鬱蒼と生い茂り、昼間でも50メイル先も分からないほど暗かった。
「暗くて先が良く分からんな」
捜索隊隊長のデヴィットが、目を細めて闇の先を見ようとしていたが何も見えない。
「俺がライトを唱えるから、他の者は警戒を厳に」
「了解」
メイジであるデヴィットがライトを唱えると、薄暗かった大森林の中は眩しいばかりの光に包まれた。
「さあ進もう。でも慎重にな」
捜索隊は大森林の中へと深く深く入っていった。
……どれ位進んだだろう。一時間おきに送られてくる偵察ビットの情報を参照しながら五班に分かれた捜索隊は、大森林を進み続けた。
時折、頭上から降ってくる雪の塊を避けつつ捜索隊が進むと、
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