父の存在
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<ムオル>
「………最後に私…名前はアルルよ。残念ながら貴女の夫ではありません!」
アルル達が一通り自己紹介を終え一息つく。
「そうですか………本当にごめんなさい…よく見ればポカパマズさんとは違いますね。…でも、何て言うか…雰囲気が似てるというか…貴女はポカパマズさんの知り合いでしょうか?」
タリーナが懇願する様な目でアルルを見つめる。
どうやら彼女はポカパマズの行方を探っている様だ。
「…知り合いかと問われても…ポカパマズが誰だか判らないので…何とも言えませんが…詳しく教えて頂けますか?」
「そ、そうですね…か「ちょっとその前に!」
アルルの問い掛けに、答えようとしたタリーナ言葉を遮るリュカ。
「あの…何か?」
「うん。どうやら、さっきの村人Aが村中に言い触らした様だ!ポポタ君に『人違いでした』って、皆さんに伝えてきてもらってもよろしいかな?」
お願いしながら窓の外を指差しリュカ…其処には、噂を聞きつけて集まってきた村人が。
「分かりました………ポポタ、皆さんに間違いだったと伝えてきてちょうだい」
「は〜い、ママ!」
素直に返事をし外へと出ようとするポポタ…
「あ、ポポタ君。みんなに説明が終わったら、これで何か食べてきなさい」
リュカは懐から10ゴールドを手渡し、ポポタを外へ送り出す。
「よ、よろしいんですか!?」
「…彼には聞かせたく無い話になりそうだから…気付いているのでしょ、お嬢さん!」
ポポタが出て行き数分後…
窓の外から村人達が引き上げるのを確認し、タリーナがポカパマズの事を話し出す。
「……ポカパマズさんは、ポポタが産まれる前に村の外で私が見つけました。モンスターにやられ、傷だらけで倒れていた所を私が助けたのです…」
「確か『ポカパマズ』って『キチガイのカタワ』って意味だよな?何でそんな名前で呼んでるんだ?」
話の腰を折りカンダタが質問をする。
「…当時…ここら一体は、モンスターの影響以外で不幸に見舞われてました…」
「モンスターの影響以外?…それは異常気象とかで?」
リュカの質問に頷いて答えるタリーナ…
当時、ムオル一帯は異常気象や疫病で壊滅的ダメージを受けていたのだ…
「そんな時に村の外で見つかった彼の事を『ポカパマズ』………『キチガイのカタワ』と悪意を込めて呼んだ人が居たのです…しかし、回復したポカパマズさんは村の為に、壊れた家の修理を手伝ったり、枯れた井戸を更に掘り、水の確保を手伝ってくれたり…助けてくれた恩だと言って、村の為に尽力してくれたんです!」
「それで貴女は彼に惚れちゃったんですね?」
リュカの問いに顔を赤らめ頷くタリーナ。
「でも彼は出て行きました…重大な使命があると言って………村を出て行く前の晩に、私は彼と結ばれたんです…
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