父の存在
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その時ポポタを授かりました」
瞳に涙を浮かべ、懐かしむ様に語るタリーナ。
「…なるほど…では彼について、もう少し詳しく教えてくれませんか?」
何かを察したアルルがタリーナに詳細を問いつめる。
「わ、私の分かっている事は…彼の本当の名はオルテガ…アリアハン出身という事だけです…」
彼女は知らない…
その二つの事実が、どれほど重要なのかを…
アルル達は薄々感づいていた。
しかし確証が無い限り、口に出す事を避けていたのだ。
それをアルルが聞き出した!
そしてやり場のない怒りが込み上げてくる。
「あ、あのクソ親父!!世界を救う旅に出るとか言って、女遊びをしているだけじゃないの!!」
自分の父親が、余所で弟を造っていた事に激怒するアルル!
「落ち着いてよアルル…」
「うるさい!どうせ男にとって、女なんて性欲処理の道具なんでしょ!アンタみたいに其処ら中で子供造ってる男に、落ち着けなんて言われたくない!アンタこそ1カ所に落ち着きなさいよ!」
怒りで混乱しているアルルは、怒鳴るだけ怒鳴ると、泣きながら外へ出て行ってしまった!
「リュカさん…良い判断ですね。ポポタ君を出て行かせた事…」
「…ありがとウルフ…経験者だからね…ティミーもキレてたからね…」
どうやらマリーの他に、腹違いの妹が2人出来たという報に、ティミーは激怒した事があるらしい…
「ちょっと父さん!落ち着いてていいんですか!?アルルが村の外まで出て行っちゃいましたよ!追いかけなきゃ!」
落ち着いて会話を続けるリュカを見て、不安気に騒ぐティミー…
「追いかけても良いが、さっきの見たろ!僕が行っても逆効果だよ………同じ気持ちを分かっている、お前が行ってこいよ!優しく宥めろよ。帰ってきて、いきなり斬りかかられたくないから」
「僕が行って効果ありますか?…殴られるだけでは?」
アルルの怒りっぷりに怯むティミー。
「じゃぁ殴られてこいよ!お前がサンドバックになって、怒りを吐き出させろよ!…アルルにだったら殴られても構わないだろ、お前!?」
「……ふう…相変わらず勝手だなぁ……」
そしてティミーはアルルの後を追う…
少し腑に落ちない点もあるが、アルルの為に後を追う。
「…行ったか。………惚れてる女の事なのだから、僕に言われなくても後を追ってほしいものだね!」
息子が出て行くのを確認したリュカは、独り言の様に呟いた。
「お父様…お兄様にそう言う期待をされるのは酷ですわ。そんな事が出来ているのなら、今頃お父様には孫が複数存在しているはずですわ!」
彼女特有のあどけない口調ではあるが、内容は辛辣な物である。
そして皆がそれを分かっているから、苦笑混じりにティミーが出て行った扉を見つめてしまうのだ…
「ところでリュカさんは、何
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