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麗しのヴァンパイア
第二百五十話

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              第二百五十話  牛乳風呂
 梨花は肌を奇麗にする為に毎日多くの牛乳を飲む様にした、もうそれはお茶と同じ位の量にまでなっていた。
 その中で梨花はある本を読んで母に尋ねた。
「お母さん、クレオパトラだけれど」
「エジプトの女王様だった人ね」
「この人実はあまり奇麗じゃなかったっていうけれど」
「お顔立ちはね、けれど雰囲気でね」
「凄い美人になっていたのね」
「それでお肌も奇麗だったというけれど」
「そう、それでね」
 まさにその話だとだ、梨花は母に言った。
「牛乳のお風呂に入っていたのよね」
「そう言われているわね」
「あの、全部牛乳だと」
 その風呂に入ればとだ、梨花は母にどうかという顔で述べた。
「入ったら」
「牛乳の匂いでっていうのね」
「凄く臭くない?」
 その顔での言葉だった。
「ちょっと以上に」
「実はお母さんもこのお話を聞いて思ったわ」
 母も娘に答えた。
「実はね」
「そうなの」
「だって牛乳は美味しいけれど」
 それでもというのだ。
「独特の匂いでしょ」
「だから臭いとも思うけれど」
「実際にその匂いでね」
「牛乳のお風呂に入ったら」
「絶対に臭いわね」
「そうよね」
「だからお母さん入りたいと思ったことないわ」
 その牛乳風呂にというのだ。
「どうもね」
「私もそのお話聞いたら」
 梨花もこう述べた。
「どうもね」
「そう思うでしょ」
「ええ、牛乳のお風呂に入るより」
「飲む方がいいわね」
「だからまた飲むわ、それに牛乳でお風呂に入ろうと思ったら」
 梨花はこうも言った。
「どれだけ必要かわからないから」
「牛乳が何十リットル必要かしら」
「お金がかかるからね」
「それで入らないのね」
「ええ、入る位なら飲むわ」
 梨花はここで冷蔵庫を開けた、そうしてだった。
 そこから紙パックの牛乳を取り出してコップに入れて飲んだ、その量は風呂に入れるだけのものではなかったが飲むには充分なものであった。


第二百五十話   完


              2020・3・27
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