決定的な違い
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態で固まっている。
「そういえば、さっきの言葉の意味はわかったか?」
「自分のことなのに・・・て奴か?」
小さくうなずくティオス。いつ均衡が崩れてもおかしくない状況なのに、あえてそんなことを聞いてくる彼の狙いが読めない。
「どうせハッタリだったんだろ?あいにく俺はそんなことで揺るがない」
彼の言葉はあくまで同様を誘うためのものだとシリルは考えていた。しかし、ティオスはその回答を聞き、鼻で笑っている。
「もう限界みたいだから教えてやるよ。俺の言葉はハッタリでもなんでもない」
「何!?」
ピキピキピキッ
ティオスの言葉と共に次第に先ほどまでの音が大きく・・・止めどなく聞こえてくるのを少年は感じた。
「俺とお前はほぼ同じ力を持っている。だが、決定的に違う点があるんだ」
「違う点だと?」
さらに音が大きくなっていくと、シリルはその音が聞こえてくる場所を次第にわかってくる。そして、その場所から赤いものが流れ地面に落ちていることも。
「俺は数年間この世界でこの時を待っていた。それは準備を万全にするため」
少しずつ地面に溢れるそれの量が多くなっているのを少年は感じていた。さらにはそこから来る異変も。
「お前はまだまだ成熟しきっていない肉体。対して俺は成長も止まり、あらゆるものが伸びきった状態だ」
徐々に狭まっていく視界。それは魔力の使いすぎや体力的な限界ではないことに、少年は気づいた。しかし、それはもう遅い。
「未成熟のお前が戦う上で最も負荷がかかる場所・・・そこはこの戦いで一番最初に限界を迎えるんだよ」
パンッ
その言葉と共に聞こえた音。その瞬間、少年の視界が完全になくなった。
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