決定的な違い
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「竜魔の鉄拳!!」
そう考えたシリルはすかさず反撃に打って出る。ティオスはそれを難なく払うと、同様に拳を突き出す。
「くっ・・・」
回避しようとしたが攻撃に出ていたこともあり敵の攻撃を受けてしまうシリル。先の攻撃で流れを引き寄せたからなのか、ティオスは再度怒涛の攻撃ラッシュに切り替える。
(またそれか)
彼のこの不可解な攻撃にシリルは疑問を感じ始めてはいた。だが、何も確証もない上に攻めあぐねている相手を狙い撃ちする方が作戦としては有利であると少年は考えた。
「竜魔の鉤爪!!」
ティオスのガムシャラの攻撃に対し、隙を縫って攻撃を仕掛けるシリル。それを読んでいたのか、ティオスは軽く体を下げてそれを回避する。
「竜魔神・・・」
シリルが動いたからなのか、体を回転させながらの攻撃に転じるティオス。高い魔力を誇っている彼ならではの、力業での攻撃。
「氷結!!」
真横の回転ではなく縦軸に回転を行い、頭部から一撃を狙うティオス。重力が合わさっていることもありスピードも勢いも通常のそれを上回っている。
ガンッ
それほどの一撃であっても、シリルを捉えることはできなかった。目の魔水晶を使っているシリルには、敵の動きの先を読むことも、瞬時に反応することも容易い。最小限の動きで横にずれた彼は、攻撃が終えた瞬間の敵を狙う。
「ふっ!!」
ただし、体勢を崩すことを第一に考え最小限の動きでいい蹴りで。
ガンッ
「!?」
間髪いれずに攻撃を繰り出したことにより命中するはずだった。それなのに、ティオスは左腕でそれをあっさりとガードすると、そのまま地面に叩き付けた状態になっている右足でシリルの顔面目掛けて蹴りを蹴り出す。
「うおっ!!」
その動きにも彼は反応することができた。ギリギリ視界で捉えることができたゆえに、反応することができた。
ピシッ
(また?)
その時、再びどこかから何か音が聞こえた。それなのに、耳がいいはずのシリルがその位置を把握することができない。
「あと数秒だな」
距離を取ろうとしたシリルの方を見たティオスの顔は笑っていた。それを見た時、彼はここで引くべきではないと感じた。
(何かはわからないけど・・・これ以上時間をかけちゃダメな気がする)
一度間を置こうとしたシリルはそれをやめ、再度攻撃に転じる。対するティオスも、それに真っ向から向き合う。
「いい判断だ。やっぱりお前はあらゆるものに秀でているよ」
そう言った青年はどこか嬉しそうに見える。それが果たしてどう言うことなのか、少年には全くわからない。
ぶつかり合った両者の拳。互いの力は均衡しており、つばぜった状
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