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鬼の手をもつ男(GS美神の二次)
1話 鬼の手誕生
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ぶっちゃけ逃げ出したいです。
誰かに押し付けてお家で大人しくしていたいです。

『いや、別にお主でなくとも柳城路の血縁者なら誰でもよいが……近くに誰か居るのか?』

「……」

巻物の答えに、俺は両膝を蔵の床について絶望した。
柳城路の爺ちゃん婆ちゃんは俺が小学校の頃に亡くなっていし、母は一人っ子だったから
叔父や叔母も居ない……つまりこれは……詰んだ?

『む!?これはいかん!!おい!柳城時の者なら誰でも良い!!早く巻物を開き儀式をせんか!!
鬼がワシ(封印)から飛び出る!!』

「マジで!?」

突然巻物が怪しい光を放ち始めブルブルと動き出す。

「どーすんの!?どーすんの!?」

『まずは広げろ!!そして書いてある封印の経文を読め!!はうぅ!
破れるぅぅ!!ワシ破れるぅぅううう!!鬼の妖気が漏れるぅぅううう!!』

まずいぞ!かなり邪悪な妖気が巻物から漏れ出してきた!!
ジジイのせいでかなり緊張感が無いがかなりヤバイ。
俺は急いで巻物を広げて経文を読む。

「宇宙天地 與我力量(うちゅうてんち よがりきりょう)
降伏群魔 迎来曙光(こうふくぐんま ごうらいしょこう)
吾人左手 所封百鬼(ごじんさしゅ しょほうひゃっき)

『らめーーー!破れちゃう!ワシ、破れちゃうーーーー!!』

尊我号令 只在此刻(そんがごうれい しざいしこく)
天地混沌 乾坤蒼茫(てんちこんとん けんこんそうぼう)
人世蒙塵 鬼怪猩狂(じんせいもうじん きかいしょうきょう)!!」

「邪悪なる鬼を……」


『あーーーーーー!!!』

ビリィ


「封じたまえーーーーー!!!!」←やけくそ状態で破れた音が聞こえない。


バチバチと電気の音が手元で鳴り響き、白い光を発する。
白い光はとても強く、俺は思わず目を瞑る。
そして、目を瞑ってから少しずつ音がなくなり蔵は静寂に包まれる。
成功したのか?はたまた失敗したのか分からないが、俺は確認するために
恐る恐る目を開ける。

周りは少し散らかってしまったが、それ以外に目立ったものは見当たらない。
巻物が言っていた鬼らしき妖怪もいない。
よかった、どうやら成功したらしい。
安堵の息を吐いて、ふと手元の巻物を見る…。

………。

ゴシゴシ。

右手で両目を擦り、左手を見る。

ゴシゴシゴシ。

!?


「なんじゃこりゃーーーーーーーーー!!!?」

中二の冬。

俺の左手が異形の『鬼の手』となった。


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